三倍体(読み)さんばいたい

日本大百科全書(ニッポニカ)「三倍体」の解説

三倍体
さんばいたい

細胞の染色体基本数の3倍の染色体数をもつ倍数体をいう。主として植物に限られ、四倍体の植物と二倍体の植物を交雑することによって得られる。自然でも三倍体の植物ができる場合があり、ポプラの三倍体は山火事が原因でできたといわれているが、人為的処理で比較的容易に得られる。「種なしスイカ」はこれを応用したもので、普通の二倍体のスイカコルヒチン(アルカロイドの一)で処理して四倍体の品種をつくり、これを親として普通品種の花粉を交配させて三倍体の種子をつくる。これを生育させてから花に二倍体の花粉を人工交配すると、その実は種なしとなる。一般に三倍体は二倍体より大きく、発育も盛んであるが、減数分裂が不規則なため、不稔(ふねん)性(種子となるまでの過程における異常)となる割合が高いので、挿木などの栄養生殖によって繁殖させる。

吉田精一

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「三倍体」の解説

三倍体
さんばいたい
triploid

遺伝学用語で,特に植物について用いられる。体細胞の中の染色体組が,形態的にも生理的にもそれ以上に分けられない数 (基本数n。→ゲノム ) の3倍の染色体数 (3n) をもつ倍数体をいう。同質四倍体 (4n) と通常の個体すなわち二倍体 (2n) との交雑で生じる。一般に,三倍体植物は不稔性である。この現象を応用して,バナナや種なしスイカがつくりだされた。その他,花卉栽培植物にも利用されている。その際,四倍体を母として二倍体を交雑するのが普通である。

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精選版 日本国語大辞典「三倍体」の解説

さんばい‐たい【三倍体】

〙 基本数の三倍の染色体数をもつ生物体。二倍体と同質の四倍体との交雑によって生ずるもので、ふつう不稔性を示す。自然界でもみられるが、種なしスイカやバナナなど種なし果実を人為的に出するのに利用されている。

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世界大百科事典内の三倍体の言及

【倍数性】より

…コムギとその近縁種属ではx=7であり,3系のコムギの染色体数はそれぞれ2x,4x,6xで示される。 体細胞の染色体数が1x,2x,3x,……の生物は一倍体,二倍体,三倍体,……とよばれる。二倍体と四倍体の雑種は三倍体に,四倍体と六倍体の雑種は五倍体になる。…

※「三倍体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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