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三宝絵詞 さんぼうえことば

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三宝絵詞
さんぼうえことば

平安時代中期の仏教説話集源為憲 (ためのり) 著。3巻。永観2 (984) 年成立。天元5 (982) 年 18歳で出家した冷泉院皇女尊子内親王の仏道修行のために著わされたもので,初め絵が添えられていたが,早く失われた。上巻は「昔の仏の行ひたまへる事」 13条から成り釈尊の本生譚が中心。中巻は「中ごろ法のここにひろまる事」 18条で,仏教渡来以降のことを語るが,うち 14条は『日本霊異記』によっている。下巻は「今の僧を以て勤むる事」 31条で,諸所に毎年定例として行われる仏会について月ごとに記す。本書自体の価値はそれほど高くないが,性格が明確な説話集であること,絵巻詞書であること,『日本霊異記』から『今昔物語集』への橋渡しをしていること,体が異なる古い伝本が存在することなどによって,国語資料として重視される。

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百科事典マイペディアの解説

三宝絵詞【さんぼうえことば】

平安時代の仏教説話集。本来は《三宝絵》という絵巻。源為憲(ためのり)が984年,冷泉院の第2皇女尊子内親王のために絵に添えて仏・法・僧の〈三宝〉を説いたものである。
→関連項目閑居友今昔物語集説話文学日本霊異記源為憲

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世界大百科事典 第2版の解説

さんぼうえことば【三宝絵詞】

平安中期の仏教説話集。本来は《三宝絵》という絵巻で,絵が逸亡して詞書だけが残り,かりに説話集なみに扱われている。源為憲冷泉天皇の皇女尊子内親王の教育用に作った。序によって984年(永観2)冬,円融天皇女御であった内親王が出家,仏教の概要を知る手引きとして献じたことがわかる。内親王は時に18歳,出家後2年目であった。絵に詞書を配し,上巻仏宝,中巻法宝,下巻僧宝の3巻。絵巻としては《三宝絵》と呼ぶべきだろう。

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大辞林 第三版の解説

さんぼうえことば【三宝絵詞】

説話集。三巻。源為憲編。984年成立。冷泉天皇第二皇女尊子内親王のために撰進。説話を物語的に構成し、仏教を平易に解説する。絵は散逸。三宝絵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三宝絵詞
さんぼうえことば

平安中期の説話集。3巻。源為憲(ためのり)編。984年(永観2)冷泉(れいぜい)天皇皇女、尊子内親王に献上された。もともと絵を伴っていたが、詞章のみが伝わっている。物語や音楽などのはかない慰みより、仏法に縁を結ぶことをたたえる序をもち、上、中、下巻にそれぞれ仏、法、僧をあて、巻頭にそれらの尊ぶべきことを説き、例証としての説話を列挙し、漢文の短い讃(さん)を巻尾に置く。全体が緊密に構成され、具体的で平易な仏教入門書である。上巻には、釈迦(しゃか)が前生(ぜんしょう)に六波羅蜜(ろくはらみつ)その他の善行を行った説話、中巻には、日本における仏法流布と仏法霊験の説話、下巻には、僧の勤める各種の法会の由来とそのようすを語る説話を配する。[森 正人]
『山田孝雄著『三宝絵詞略注』(1951・宝文館) ▽小泉弘・高橋伸幸著『諸本対照三宝絵集成』(1980・笠間書院)』

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世界大百科事典内の三宝絵詞の言及

【説話文学】より

…説経唱導の資として多数の証話が求められ,それがやがて説話集や説経集に結晶したわけで,平安時代には,折々の信仰の動向と布教上の実需を反映して,多様な作品が制作された。《日本霊異記》の系譜につながる《日本感霊録(にほんかんりようろく)》(850ころ),上流婦女子向けの仏教テキスト《三宝絵詞(さんぼうえことば)》(984),浄土信仰の盛行が生み出した《日本往生極楽記》(986ころ),法華経信仰の諸相と功徳を説いた《本朝法華験記》(1044)などは,いずれも歴史的意味をになう個性的作品である。基盤となった説経の資料としては,院政期の《法華修法一百座聞書抄》《打聞集(うちぎきしゆう)》などが注目される。…

※「三宝絵詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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