陰陽道の禁忌思想に端を発した忌日で,室町時代末期の暦注に初出し,江戸時代にはさほど強い禁忌はなかったが,明治時代以後,都市民の間に広まった。1月,4月,7月,10月は亥の日,2月,5月,8月,11月は寅の日,3月,6月,9月,12月は午の日がそれにあたる。十二支の亥,寅,午を,この順番に1月から各月にあてはめたものである。この日は,十二支の活動が凶変するといわれ,建築,とくに普請始め,柱立て,棟上げなどをすると,後日になって火災を起こし,その災禍は,三軒隣にまで及ぶとされることから,三隣亡の名称が出た。種まきにも凶日で,稲掛けを建てても倒れ,約束事も破れる日だという。日の吉凶を説く祈禱師や易者などによりこの知識が普及したと考えられ,都市民の火災に対する恐怖や不安の心理がその傾向を増長した。今でも土木建築関係者には,この禁忌を気にするものが多い。
→六曜
執筆者:鈴木 正崇
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…十干十二支のこと。古くは十日十二辰,十母十二子などともいった。日本では〈えと〉と呼ぶ。中国やアジアの漢字文化圏において,年・月・日・時や方位,さらにはことがらの順序をあらわすのにも用いられた(図1)。また,陰陽五行説などと結合してさまざまな占いや呪術にも応用された。十干は甲(こう)・乙(おつ∥いつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き),十二支は,子(し)・丑(ちゆう)・寅(いん)・卯(ぼう)・辰(しん)・巳(し)・午(ご)・未(び)・申(しん)・酉(ゆう)・戌(じゆつ)・亥(がい)。…
…人間の生命や生活の健全と安定をそこなう要因になると考えられている災難・障害に関する心意現象をいう。時間の次元では厄日,厄月,厄年があり,空間的には厄の生ずるという場所があるが,厄をもたらすという神も考えられており,それらを避けるための呪的方法が多く生み出されている。 厄日には暦にもとづく陰陽道によるものが多く,外出を忌む坎日(かんにち),葬式を忌む友引(ともびき),家屋の建築や旅立ちを忌む三隣亡(さんりんぼう),種まきや植樹を忌む不熟日(ふじゆくにち)・地火(じか)の日などがよく知られているが,二百十日とか二百二十日を厄日とする所も多い。…
※「三隣亡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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