三隣亡(読み)サンリンボウ

デジタル大辞泉 「三隣亡」の意味・読み・例文・類語

さんりん‐ぼう〔‐バウ〕【三隣亡】

暦注の一。この日に建築をすれば火事を起こし、近隣3軒を焼き滅ぼすといって忌む。

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精選版 日本国語大辞典 「三隣亡」の意味・読み・例文・類語

さんりん‐ぼう‥バウ【三隣亡・三輪宝ボウ】

  1. 〘 名詞 〙 民間暦凶日一つ。正月・四月・七月・一〇月は亥の日、二月・五月・八月・一一月は寅の日、三月・六月・九月・一二月は午の日をいう。この日に建築を行なうと火災が起こり、近隣三軒を焼きほろぼすといわれる。一説八龍日のことで、亥・寅・午の日。〔随筆安斎随筆(1783頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「三隣亡」の意味・わかりやすい解説

三隣亡/三輪宝 (さんりんぼう)

陰陽道禁忌思想に端を発した忌日で,室町時代末期の暦注に初出し,江戸時代にはさほど強い禁忌はなかったが,明治時代以後,都市民の間に広まった。1月,4月,7月,10月は亥の日,2月,5月,8月,11月は寅の日,3月,6月,9月,12月は午の日がそれにあたる。十二支の亥,寅,午を,この順番に1月から各月にあてはめたものである。この日は,十二支の活動が凶変するといわれ,建築,とくに普請始め,柱立て,棟上げなどをすると,後日になって火災を起こし,その災禍は,三軒隣にまで及ぶとされることから,三隣亡の名称が出た。種まきにも凶日で,稲掛けを建てても倒れ,約束事も破れる日だという。日の吉凶を説く祈禱師易者などによりこの知識が普及したと考えられ,都市民の火災に対する恐怖や不安の心理がその傾向を増長した。今でも土木建築関係者には,この禁忌を気にするものが多い。
六曜
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三隣亡」の意味・わかりやすい解説

三隣亡
さんりんぼう

九星(きゅうせい)に関する俗信。1・4・7・10月の亥(い)の日、2・5・8・11月の寅(とら)の日、3・6・9・12月の午(うま)の日とする。もともと陰陽道(おんみょうどう)に基づくものであるが、日本に入ってから文字を独自に曲解し、この日に建築(とくに棟上げ)することを忌む風が広くあり、火事になるなどという。近世陰陽師(おんみょうじ)などといわれる人々が広めた俗信で、いまも気にする人があるが、もちろん、なんの根拠もない。

[井之口章次]

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百科事典マイペディア 「三隣亡」の意味・わかりやすい解説

三隣亡【さんりんぼう】

暦注の一つ。三輪宝とも書く。1・4・7・10月は亥(い)の日,2・5・8・11月は寅(とら)の日,3・6・9・12月は午(うま)の日。特に建築を忌み,犯せば三隣を亡(ほろ)ぼすという。
→関連項目厄日

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三隣亡」の意味・わかりやすい解説

三隣亡
さんりんぼう

暦の上での忌みの日の一つ。この日に建築すれば火難を受け,隣3軒を滅ぼすとされて忌まれる。1,4,7,10月は亥 (い) の日,2,5,8,11月は寅 (とら) の日,3,6,9,12月は午 (うま) の日がこれにあたる。また,この日には約束ごとをしないなどの地方もある。

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世界大百科事典(旧版)内の三隣亡の言及

【干支】より

…十干十二支のこと。古くは十日十二辰,十母十二子などともいった。日本では〈えと〉と呼ぶ。中国やアジアの漢字文化圏において,年・月・日・時や方位,さらにはことがらの順序をあらわすのにも用いられた(図1)。また,陰陽五行説などと結合してさまざまな占いや呪術にも応用された。十干は甲(こう)・乙(おつ∥いつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き),十二支は,子(し)・丑(ちゆう)・寅(いん)・卯(ぼう)・辰(しん)・巳(し)・午(ご)・未(び)・申(しん)・酉(ゆう)・戌(じゆつ)・亥(がい)。…

【厄】より

…人間の生命や生活の健全と安定をそこなう要因になると考えられている災難・障害に関する心意現象をいう。時間の次元では厄日,厄月,厄年があり,空間的には厄の生ずるという場所があるが,厄をもたらすという神も考えられており,それらを避けるための呪的方法が多く生み出されている。 厄日には暦にもとづく陰陽道によるものが多く,外出を忌む坎日(かんにち),葬式を忌む友引(ともびき),家屋の建築や旅立ちを忌む三隣亡(さんりんぼう),種まきや植樹を忌む不熟日(ふじゆくにち)・地火(じか)の日などがよく知られているが,二百十日とか二百二十日を厄日とする所も多い。…

※「三隣亡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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