下物(読み)カブツ

  • おりもの
  • おろしもの
  • くだされもの
  • くだしもの
  • くだりもの
  • したもの
  • 下物 かぶつ

デジタル大辞泉の解説

酒のさかな。下酒物(かしゅぶつ)。
下等で安価なもの。特に、安物の魚。
「ええ、うったうしく―ばかり並べたてるぞ」〈滑・八笑人・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 婦人の内部生殖器から流下する血液、粘液、組織片などの総称。悪露。こしけ。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
〘名〙
① 神仏に供えた物をとりさげた物や、貴人の飲食物の残りもの。転じて、飲食物以外の物にも用いる。おさがり。おろし。〔侍中群要(1071か)〕
② 主君などから賜わる品。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)張湯第二九「公方から下物(ヲロシもの)がなうては、たすかるまいほどに」
③ 古鉄など、鋳造(ちゅうぞう)し直される金属。または、鋳造し直したもの。
※日葡辞書(1603‐04)「Voroximononi(ヲロシモノニ) スル」
〘名〙 (酒とともに飲み下す物の意) 酒のさかな。〔洒落本・虚実柳巷方言(1794)〕
※新浦島(1895)〈幸田露伴〉一七「召し上られたる美酒は蘭陵の青旗立てたる家より部下の者に奪はせ、下物(カブツ)は極楽の飲食乃至は北鬱単越の香厨より掠め来らせましたるもの」 〔世説新語〕
〘名〙 目上の人からもらったもの。いただいたもの。頂戴物。拝領品。たまわりもの。くだされ。
※浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)六「御心を付られし此御菓子、頼朝公より下され物、有難(ありがたく)頂戴あれ」
〘名〙 京都から地方へ送る物。特に江戸へ送る物をいう。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)上「おくだし物の御用ならば私に仰聞けられませ」
〘名〙 上方から来た品物。上方で製造・加工し、地方へ送って売る製品。
※随筆・独寝(1724頃)上七「私は地打の仙人、くだりものの様なるそまつなる仙人にあらず」
〘名〙
① 値段の安いもの。安物(やすもの)
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「『下物(シタモノ)もねへの』『殻湿気(からっちけ)よ。下物売みじめといふ日だ』」
② 酒の肴(さかな)
※病牀六尺(1902)〈正岡子規〉一七「客が来ても御馳走を出すといふ場合には必ず酒を出すのである。下物は菜漬位である」
③ 下取りする品物。
※洒落本・やまあらし(1808)三「なんぞおしたものでもぬりもののししきせたのゐなかへまはるも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

ぴえん

悲しみの涙や嬉し泣きを表すネットスラング。「ピエーン」と声を上げながら泣いている様子を表す顔文字が語源とされ、軽い調子の文章で用いられる。女子中高生を中心にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

下物の関連情報