デジタル大辞泉
「両神山」の意味・読み・例文・類語
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両神山
りようかみさん
現両神村の西端、大滝村との境界にある標高一七二四メートルの山で、秩父多摩国立公園・県立両神自然公園のうち。北麓は小鹿野町域にかかる。秩父古生層のチャートからなり、周囲を絶壁に囲まれた特異な山容で知られる。関東平野から遠望され、古くから信仰の対象となった。「風土記稿」薄村の項には「嶮嶽ニテ高ク青霄ニ聳ヘ、ソノ大ナル武甲山ニ譲ラス、四角八方ニ巌々タル危峰険岩、兀々トシテ羅立セリ、児孫ノ如ク打絡ヘリ」とあり、山の所有は薄村と中津川村(現大滝村)枝村白井差の二ヵ村で、年貢地となっていた。一方、同書河原沢村(現小鹿野町)の項では「八日見山」とみえる。同項では山上に竜神大明神の社を勧請していることから竜神山とも称したといい、「衆山ニ秀テ嶮岨ノ山路細径曲折、土人モ容易ニ攀ル事ヲ得ス、宿願ノモノ偶登山セリ」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
両神山
りょうかみさん
埼玉県西部、秩父(ちちぶ)郡小鹿野町(おがのまち)の南部と秩父市大滝(おおたき)地区の境界にある山。標高1723メートル。秩父中・古生層からなる山で、とくに山頂付近は硬いチャートからなるため、山稜(さんりょう)はきわめて急峻(きゅうしゅん)で、特異な山容を呈する。山頂直下の両神神社奥社に伊弉諾・伊弉冉尊(いざなぎいざなみのみこと)の二神を祀(まつ)るので両神山とよばれる。奈良時代に役小角(えんのおづぬ)が開山したと伝えられ、江戸時代、修験(しゅげん)者の道場としてにぎわった。山麓(さんろく)に両神神社、中腹に不動滝がある。5月10日が山開きで、山頂付近では5月下旬から6月上旬にかけてヤシオツツジ、シャクナゲが咲き、秋は紅葉で美しい。山頂からは奥秩父、日光、八ヶ岳(やつがたけ)などの山々を望むことができる。山麓の日向大谷(ひなたおおや)から登る道のほか、北の八丁峠から登る道もある。
[中山正民]
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両神山【りょうかみさん】
埼玉県西部,秩父山地北部にある山。〈りょうがみやま〉とも。標高1723m。秩父古生層のケイ岩からなり,山体はかなり開析され,鋸歯(きょし)状をなす。江戸時代には竜神山などとみえ,修験(しゅげん)者の道場として知られた。ツツジと紅葉が有名。秩父多摩甲斐国立公園に属し,小鹿野町から登山路がある。
→関連項目小鹿野[町]|日本百名山
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両神山
りょうかみさん
埼玉県西部,秩父山地にある山。標高 1723m。山体は秩父古生層のケイ岩から成り,山頂付近は数百mの絶壁をなし,鋸歯状の山体が特色。江戸時代から修験者の道場として知られ,毎年5月 10日が山開き。5月下旬~6月上旬に咲くヤシオツツジと秋の紅葉は特に美しく,山頂からの眺めも雄大。山中には絶景の「大ノゾキ」,全長 80mに及ぶ丸神の滝などの名所がある。秩父多摩甲斐国立公園に属する。
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りょうかみさん【両神山】
埼玉県秩父郡大滝村と両神村との境にある秩父山地北部の山。標高1724m。秩父多摩国立公園に属する。秩父古生層のケイ岩からなる鋸歯状の岩峰で,伊弉諾(いざなき),伊弉冉(いざなみ)の2神をまつるところからその名があるが,日本武尊がこの山を通行するのに8日かかったといわれることから八日見(ようかみ)山とも呼び,また山上に竜頭神社奥社があるため竜神山とも呼ばれる。奈良時代に役行者(えんのぎようじや)が開山したと伝えられ,江戸時代には修験者の道場であった。
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報