20世紀日本人名事典 「中上 健次」の解説
中上 健次
ナカガミ ケンジ
昭和・平成期の作家 熊野大学出版局代表。
- 生年
- 昭和21(1946)年8月2日
- 没年
- 平成4(1992)年8月12日
- 出生地
- 和歌山県新宮市
- 学歴〔年〕
- 新宮高〔昭和40年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 芥川賞(第74回)〔昭和50年〕「岬」,毎日出版文化賞(第31回)〔昭和52年〕「枯木灘」,芸術選奨文部大臣新人賞(第28回・文学評論部門)〔昭和52年〕「枯木灘」,和歌山県文化表彰〔平成4年〕
- 経歴
- 高卒後上京、「文芸首都」に加わり、保高徳蔵の指導を受ける。羽田国際空港事業勤務のかたわら小説を書き続け、芥川賞候補になること三度。昭和49年第一作品集「十九歳の地図」で注目を集め、50年「岬」で第74回芥川賞を受賞。以後、故郷の紀州(紀伊半島)を主題にした作品を描き続け、「枯木灘」「化粧」「水の女」「鳳仙花」など旺盛な創作ぶりを示す。血縁と土地(路地)に密着した〈物語〉の作法は骨太く強靱。平成2年永山則夫死刑囚の入会問題をめぐり、日本文芸家協会を脱退。3年湾岸戦争への日本加担に反対する声明に参加。4年腎臓がんで摘出手術を受ける。2年以来、新宮市で在野の市民講座・熊野大学を主宰。他の代表作に「鳩どもの家」「千年の愉楽」「地の果て至上の時」「奇蹟」「日輪の翼」「讃歌」、ドキュメント「紀州 木の国・根の国物語」、エッセイ集「鳥のように獣のように」「破壊せよ、とアイラーは言った」、対談「小林秀雄をこえて」など。「中上健次全短編小説」(河出書房新社)、「中上健次全集」(全15巻 集英社)、「中上健次選集」(全12巻 小学館)、「中上健次エッセイ撰集」(恒文社21)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報