予算先議権(読み)ヨサンセンギケン

デジタル大辞泉 「予算先議権」の意味・読み・例文・類語

よさん‐せんぎけん【予算先議権】

二院制において、下院上院に先立って政府から予算提出を受け、これを審議する権能日本では衆議院に認めている。

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精選版 日本国語大辞典 「予算先議権」の意味・読み・例文・類語

よさん‐せんぎけん【予算先議権】

  1. 〘 名詞 〙 二院制のもとで、下院が上院よりも先に、予算案の提出を受けて審議する権能。日本では衆議院にこの権限を認めている。〔袖珍新聞語辞典(1919)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「予算先議権」の意味・わかりやすい解説

予算先議権
よさんせんぎけん

議会における予算の審議について、下院(衆議院)が上院(参議院)より先に予算の提出を受け、これを審議する権能をさす。近代国家においては、一般に下院が上院より優位にあることを認めているが、それに基づいて、予算そのほか、国民負担に関する財政関係の法案の審議にあたっては、下院の意思を重視するのが妥当であるという考え方があり、そこから下院の予算先議権の制度が生まれた。日本においても、明治憲法(65条)、日本国憲法(60条1項)のいずれもがこの趣旨を明示している。さらに日本国憲法では、予算の議決についても、衆議院の意思が参議院のそれに対して優越的地位にたつことを認め(60条2項=自然承認)、予算に関する衆議院の特権を保障している。

[池田政章]

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百科事典マイペディア 「予算先議権」の意味・わかりやすい解説

予算先議権【よさんせんぎけん】

衆議院が予算を参議院(旧憲法下では貴族院)より先に審議・議決する権限(憲法60条,旧憲法65条)。旧憲法下では予算案提出の時間的先後だけで議決の効力に変りはなかったが,現行憲法では参議院が否決した場合もしくは議決しなかった場合でも衆議院の議決だけで成立自然成立)する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「予算先議権」の意味・わかりやすい解説

予算先議権
よさんせんぎけん

両院制をとる場合において,予算を先に審議する権利のこと。大日本帝国憲法 (65条) の場合と同様,日本国憲法の場合も衆議院が先議権をもつ (60条1項) 。これは国民の負担に関する財政法案の審議についてはより直接的に民意が反映する下院の意思を尊重すべしとする思想に基づき,近代以降のほとんどの国で認められている。

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