明治期の翻訳家
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
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翻訳家。徳島に生まれる。オランダ人ドンケル・クルチウスに英語を学び、神戸で通訳となり、ドイツ領事館に勤めたのち、1881年(明治14)大蔵省関税局翻訳掛(ほんやくがかり)、83年文部省に移り、宮内省、元老院など官界を歩く。その間ジュール・ベルヌ『九十七時二十分間月世界旅行』(1880)、『亜非利加内地三十五日間空中旅行』(1883)、『白露革命外伝自由の征矢(そや)』『六万英里海底旅行』(1884)、『通俗八十日間世界一周』(1888)、シェークスピア『人肉質入裁判』(1883)など英書から翻訳し、明治初期の西洋文学紹介に大きく貢献した。のち実業家となるが成功せず、神戸で死去。
[富田 仁]
『柳田泉著『明治初期翻訳文学の研究』(1959・春秋社)』
(加納孝代)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
…ドイツ語には〈ロビンソン・クルーソーもの〉を意味する〈ロビンゾナーデRobinsonade〉という言葉も生まれ,フランス語の俗語〈ロバンソンrobinson〉はロビンソンが用いていたような大型こうもり傘を意味する。日本では早くも幕末にオランダ語訳からの重訳が出版されたが,原文からの翻訳としては井上勤《絶世奇談 魯敏遜(ロビンソン)漂流記》(1883)が初期のものとしては注目に値する。【榎本 太】【山本 泰男】。…
※「井上勤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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