独語(読み)どくご

精選版 日本国語大辞典「独語」の解説

どく‐ご【独語】

[1] 〘名〙
① 相手がなく、ひとりでものを言うこと。ひとりごと独言
日本外史(1827)一五「藤吉従過城下、仰視而嘆曰、嘻、危矣、因語久之」
※酒ほがひ(1910)〈吉井勇〉痴夢三「沈みたる昨日の君がかほばせをな思ひそと独語(ドクゴ)するかな」 〔白居易‐立秋日登楽遊園
② ドイツ語のこと。
国語のため第二(1903)〈上田万年〉内地雑居後に於ける語学問題「其の仏文或は独文を朗読すれば」
[2] 江戸中期の随筆。一巻。太宰春台著。成立年不詳。和歌茶の湯・俳諧・風俗などに触れつつ、儒者として柔弱な時世に批判を加えたものや、文学論を収める。春台独語。

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世界大百科事典 第2版「独語」の解説

どくご【独語 monologue】

ひとりごと。現実に語りかける対象がないのに一人でしゃべっている行為幼児から成人まで普遍的にみられるもので,必ずしも病的とは限らない。幼児はひとりごとをいいながら一人で遊んでいるものだし,仲間といっしょでもそれぞれが自分勝手にしゃべっていることが多い(集団的独語)。成人でも考えごとがあるときなど,思わず,ひとりごとがでてしまう。病的なものとしては精神分裂病さいの独語があり,ひとりでぶつぶつといっているもの,常同的に同じ語句文章をつぎつぎと唱えるもの(音誦症),だれもいないのに会話しているようにしゃべったり,演説でもしているように叫んでいるもの,などがある。

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普及版 字通「独語」の解説

【独語】どくご

独り言。張籍北旅思〕詩 失(ま)た獨語す 多愁、(た)だ自ら知る

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世界大百科事典内の独語の言及

【台詞】より

…よく行われるせりふの形式上の一分類としては,2人あるいはそれ以上の登場人物の間で交わされる〈対話(ダイアローグdialogue)〉。登場人物が自分自身の考えや感情などをみずからに問いかける形をとる〈独白(モノローグmonologue)〉(モノローグ劇),対話中に対話の当の相手には聞こえないという約束で横を向き独りごとのように言う〈傍白(アサイドaside)〉などがある。【編集部】
[せりふの言語表現の特質]
 せりふは,戯曲表現の唯一の直接的な実質であり,筋や役の性格を含めて,劇的な行動のいっさいがそれを通じて表現される。…

【独白】より

…劇のせりふの一種。モノローグともいう。人物が特定の相手に聞かせることを目的とせずに語るせりふ。舞台上に他の人物がいないときに語られる単なる独白と,他の人物がいるときに語られる傍白とに区別される。古典劇ではよく用いられ,シェークスピアやモリエールの劇には頻出する。しかし近代リアリズムの確立によってしだいに退けられるようになった。それは,人間が現実生活において長々とひとりごとを言うことは考えられず,したがって劇でもそういうことはあってはならないとされるからである。…

【精神分裂病】より

…現存在分析を創始したスイスの精神医学者ビンスワンガーの主著で,1957年に単行本の形で刊行された。5例の精神分裂病のくわしい症例研究からなるが,30年代に著者が独自の人間学的方法を確立したのち,数十年にわたる臨床活動の総決算として44年から53年にかけて集成したもの。ここでは,分裂病は人間存在に異質な病態としてではなく,人間から人間へ,現存在から現存在への自由な交わりをとおして現れる特有な世界内のあり方として記述される。…

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