亜酸化窒素(読み)アサンカチッソ

  • nitrous oxide
  • あさんかちっそ アサンクヮ‥
  • あさんかちっそ〔アサンクワ〕
  • 亜酸化窒素 nitrous oxide

百科事典マイペディアの解説

一酸化二窒素ともいう。化学式はN2O。密度1.9804g/l(0℃,1気圧),融点−90.8℃,沸点−88.5℃。無色,香気と甘味ある気体。アルコールに溶け,常温で安定。化学的性質は酸素に似ている。この気体を吸うと顔の筋肉に麻痺(まひ)が起こり,笑ったように見えるので笑気とも呼ばれる。吸入による全身麻酔剤。
→関連項目手術地球温暖化

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

笑気または一酸化二窒素ともよばれる全身麻酔剤(吸入麻酔)である。室温、大気圧下では無色のガスで、においはない。このガスの吸入によって顔面の筋肉がけいれんして笑っているようにみえるところから笑気と名づけられた。1799年イギリスの化学者H・デービーによって麻酔作用が認められ、アメリカの歯科医H・ウェルズが1844年に笑気麻酔による手術(自分自身の親知らずの抜歯)に初めて成功した。歯科治療や分娩第一期の鎮痛の目的で単独で用いられるほか、外科手術ではエンフルラン、ハロタンなどの全身麻酔剤の補助薬として、通常30%の酸素濃度を保ち、亜酸化窒素濃度は70%以下で使用される。歯科用には亜酸化窒素30%、酸素70%のものが、産科用では亜酸化窒素50%、酸素50%の混合ガスが市販されている。[幸保文治]
『Jan A. Baum著、上村明・宮部雅幸・渡辺誠治・豊岡秀訓監訳『低流量麻酔』(2002・メディカル・サイエンス・インターナショナル) ▽外須美夫編『吸入麻酔――薬理から使用法まで』(2003・真興交易医書出版部) ▽医療機器センター編『医療ガス保安管理ハンドブック』改訂版(2003・ぎょうせい)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 窒素の酸化物の一つ。化学式 N2O 香気と甘味のある無色透明の気体。吸入式の全身麻酔剤に用いる。麻酔の時、顔の筋肉がけいれんして笑ったようになるので「笑気」ともいう。一酸化二窒素。酸化二窒素。

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世界大百科事典内の亜酸化窒素の言及

【酸化窒素】より


[一酸化二窒素dinitrogen monooxide]
 化学式N2O。酸化二窒素,亜酸化窒素(俗称)とも呼ばれる。硝酸アンモニウムを熱分解するとたやすく生成する。…

※「亜酸化窒素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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