コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

交代式 こうたいしきalternating expression

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

交代式
こうたいしき
alternating expression

n 個の文字 x1x2,…,xn の整式,あるいは有理式 F(x1x2,…,xn) において,任意の2変数 xixj を取替えると,もとの式と符号だけが変るとき,すなわち,

F(x1,…,xi,…,xj,…,xn)=-F(x1,…,xj,…,xi,…,xn)

が成り立つとき,式 Fx1x2,…,xn の交代式という。たとえば,x1x2=-(x2x1) であるから,x1x2 は交代式である。差積 D(x1x2,…,xn)=Πij(xixj) は交代式で,一般の交代式は

F(x1,…,xn)=D(x1,…,xn)G(x1,…,xn)

と,差積と対称式 G との積として表わせる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

こうたい‐しき〔カウタイ‐〕【交代式】

有理式において、その中の任意の二つの変数を交換すると、式の符号だけが変わった式となるもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

こうたいしき【交代式 alternating expression】

3変数の多項式 f(x,y,z)=x2yy2xy2zz2yz2xx2z g(x,y,z)=x4yy4xy4zz4yz4xx4z  -x3y2x2y3y3z2z3y2z3x2x3z2において,xyを入れかえると,符号が変わって,それぞれ-f(x,y,z),-g(x,y,z)となる。yzあるいはzxを入れかえても同じである。このような多項式のことを交代式と呼ぶ。一般にn変数の多項式f(x1,……,xn)のうちで,変数x1,……,xnの順序を入れかえたとき,f(x1,……,xn)か-f(x1,……,xn)となるもので,対称式でないものを交代式という。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

こうたいしき【交代式】

多項式で、その中の任意の二つの文字を入れ換えると、もとの式と符号だけ違った式になるもの。x -y など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

交代式
こうたいしき

n個の変数x1、x2、…、xnの多項式において、任意の二つの変数を交換すると、もとの式の符号だけを変えた式が得られるとき、その式はx1、x2、…、xnに関する交代式であるという。たとえば、二つの変数x、yの多項式
  f(x, y)=x3-x2y+xy2-y3
のxとyを入れ換えて新しい多項式をつくる。
  f(y, x)=y3-y2x+yx2-x3
この多項式はもとの多項式f(x, y)に-1を掛けたものになる。つまり
  f(y, x)=-f(x, y)
 このような多項式の性質を、変数を増やして考えたものが交代式である。つまり、n個の変数x1、x2、…、xnの多項式f(x1, x2,…, xn)で異なるiとjに対し、xiとxjを入れ換えると、もとの多項式f(x1, x2,…, xi,…, xj,…, xn)からf(x1, x2,…, xj,…, xi,…, xn)ができる。この二つの多項式を比べたとき、
  (*) f(x1,…, xi,…, xj,…, xn)=-f(x1,…, xj,…, xi,…, xn)
が任意の相異なるiとjに対して成り立つとき、この多項式fを交代式という。(*)のかわりに
  f(x1,…, xi,…, xj,…, xn)=f(x1,…, xj,…, xi,…, xn)
が成り立つのが対称式である。
 二つの交代式の和、差はまた交代式であるが、積は対称式になる。また、対称式と交代式の積は交代式である。n変数の交代式でいちばん簡単で重要なものは

である。このΔnは1≦i<j≦nなるすべてのi、jに対し、差(xi-xj)をつくり、その積をとったものであるから、差積といわれる。たとえば
  Δ2=x1-x2,
  Δ3=(x1-x2)(x1-x3)(x2-x3)
である。(*)式でxi=xjと置いてみると
  f(x1,…, xi,…, xi,…, xn)=-f(x1,…, xi,…, xi,…, xn)
となり、f(x1,…, xi,…, xi,…, xn)=0を得るから、交代式f(x1,……, xn)はxiの一変数多項式として解xjをもち、(xi-xj)で割り切れる。したがって任意の差(xi-xj)(i<j)で割り切れるから、それらの積である差積Δnで割り切れる。
  f(x1,……, xn)=Δn・s(x1,……, xn)
なる多項式s(x1,……, xn)を考えると、fとΔnは交代式であるから、sは対称式になる。ここで対称式の基本定理を使うと、sは基本対称式s1、s2、……、snの多項式になる。ここで

である。ゆえに任意の交代式は、基本対称式の多項式と差積の積になる。この結果は交代式の因数分解などに使われる。たとえば
 x3-x2y+xy2-y3
は交代式であるからΔ2=x-yで割り切れる。実際割り算を行って、商x2+y2を得るから
 x3-x2y+xy2-y3
  =Δ2(x2+y2)=Δ2(s12-2s2)
となる。[菅野恒雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

交代式の関連キーワードルクセンブルク大公宮殿アマリエンボール宮殿アマリエンボー宮殿カナダの国会議事堂バッキンガム宮殿マレーシアの王宮モナコ大公宮殿ケベック城塞国父紀念館プラハ城有理式差積らぶ

今日のキーワード

阪神園芸

阪神電気鉄道株式会社の子会社で、兵庫県西宮市に本社を置く造園会社。正式名称は「阪神園芸株式会社」。1968年に設立された。環境緑化工事の施工・維持管理、公園植栽などの管理、観葉植物のリースといった業務...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

交代式の関連情報