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今古奇観 きんこきかんJin-gu qi-guan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

今古奇観
きんこきかん
Jin-gu qi-guan

中国,明末の口語短編小説選集。抱甕 (ほうおう) 老人の編。 40巻。崇禎5 (1632) ~17年の間に刊。編者の本名その他未詳。天啓,崇禎年間に相次ぎ出版された短編小説集のいわゆる「三言二拍」 198編中,三言 29編 (『喩世明言』8編,『警世通言』 10編,『醒世恒言』 11編) ,二拍 11編 (『拍案驚奇』8編,『二刻拍案驚奇』3編) の計 40編を選び集めたもので,ほとんどが明代の話本 (わほん) と考えられている。清代に入り,幾度か禁書になりながら一般に流行し,そのため母体である「三言二拍」は忘れられ,近年日本で発見されるまで埋没していたほどである。日本にも早く伝わり,多くの翻訳,翻案があって,江戸時代の文学に大きな影響を与えた。 18世紀頃からヨーロッパにも紹介されている。

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デジタル大辞泉の解説

きんこきかん〔キンコキクワン〕【今古奇観】

中国、明代末の短編小説集。40巻。抱甕(ほうおう)老人編。「三言(さんげん)」「二拍(にはく)」から40編を選んだもの。江戸時代に伝来し、曲亭馬琴都賀(つが)庭鐘上田秋成らに影響を与えた。

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百科事典マイペディアの解説

今古奇観【きんこきかん】

中国,明末の囗語体で書かれた通俗短編小説集。抱甕(ほうよう)老人の編。三言二拍200編の小説から40編を選び編集。1628年―1644年刊。物語の世俗性と多面性により清代に流行。
→関連項目英草紙

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世界大百科事典 第2版の解説

きんこきかん【今古奇観 Jīn gǔ qí guān】

中国の口語体短編小説集。明末の崇禎年間(1628‐44)に抱甕(ほうよう)老人(本名不明)が,やはり明末の小説集《三言》と《二拍》から40編を選んで刊行したもの。清代には《三言》《二拍》(三言二拍)が姿をくらましたのに対し本書は広く行われ,《続今古奇観》などの類書を生んだ。20世紀に至るまでの約300年間,宋・元以来の口語小説は主に本書によって読まれたといってよい。日本には江戸時代に伝わり,《通俗古今奇観》などの翻訳や翻案物がある。

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大辞林 第三版の解説

きんこきかん【今古奇観】

中国、明代の短編小説集。四〇編。編者は抱甕ほうおう老人とあるが不詳。明代末の成立と推定される。「三言二拍」から抜粋したもので、手頃な小説集としてもてはやされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

今古奇観
きんこきかん

中国、明(みん)末の1632~44年の間に、「三言二拍」から40編を選び、抱甕(ほうおう)老人(伝未詳)が刊行した話本の選集。以後中国では「三言二拍」を押しのけて広く読まれ、続書も輩出した。人々の哀歓を巧みに描いた傑作ぞろいで、短編小説集としても十分読むに堪え、早くから西欧各国へ翻訳紹介がなされた。日本へは『小説三言』のなかへその一部が訓点つきで翻刻されたのをはじめとして、西田維則(これのり)『通俗赤縄奇縁』(1761)、淡斎主人『通俗古今奇観』(1814)などとして翻訳される一方、「三言二拍」とともに翻案され、江戸の読本(よみほん)に大きな影響を及ぼした。代表作に都賀庭鐘(つがていしょう)の『英草紙(はなぶさそうし)』『繁野話(しげしげやわ)』、上田秋成(あきなり)の『雨月物語』などがあげられる。[大塚秀高]
『千田九一・駒田信二・立間祥介訳『今古奇観』全5冊(平凡社・東洋文庫)』

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