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仏図澄 ぶっとちょうFu-tu Cheng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仏図澄
ぶっとちょう
Fu-tu Cheng

[生]233頃
[没]348頃
中国,五胡十六国時代の中央アジア亀茲出身。 78歳のとき洛陽に行き,布教に尽力。北方民族を統一した後趙の王に信奉されて顧問となり,軍政にも参画し,北方民族を仏教文化と神異霊験によって教化した。 38年の間に約 900の寺を建て,暴君であった後趙王石勒石虎を教化し,それまで許されなかった漢人出家を許すように努力した。門下道安,竺法汰,法和,法常ら東晋時代を代表する僧がいる。

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デジタル大辞泉の解説

ぶっとちょう【仏図澄】

[232~348]中国、五胡十六国時代の西域の僧。中央アジアの庫車(クチャ)の人。の永嘉年間(307~312)に洛陽に入り、種々の神秘を現して仏教を広め、多くの仏寺を建立。中国仏教の基礎をつくった。竺仏図澄(じくぶっとちょう)。

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百科事典マイペディアの解説

仏図澄【ぶっとちょう】

中国,魏晋南北朝時代の初期,五胡十六国に西域から中国に来た仏教の僧侶。亀茲(クチャ)の出身で,出家してカシミール地方で修行。310年,戦乱の続く洛陽で民衆の教化にのりだし,(けつ)族の建てた後趙の君主にとりいって信頼を得た。この際,神変呪術を用いたともいわれ,建立した寺院は893ヵ所,門下生1万に達したとされる。中国仏教の基礎を築いた道安も彼の弟子であり,この時代の仏教の隆盛は,仏図澄の活動によるところが大きい。
→関連項目五胡十六国

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶっとちょう【仏図澄 Fó tú chéng】

?‐348
クチャ(亀茲)出身の僧。クマーラジーバ(鳩摩羅什)以前における,中国での仏教宣教に尽くした最大の人物。呪術にも通じて神異の僧と称せられ,後趙の石勒,石虎2王の深い帰依を受けた。30余年の宣教活動で,仏寺の建立893所,弟子は1万人近くに及んだ。弟子のなかでは,中国仏教の基礎を築いた道安が最も著名である。彼には訳経や著述がないにもかかわらず,外来の仏教が中国に根づき発展したのは,彼の広範な宣教に負うところが大きい。

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大辞林 第三版の解説

ぶっとちょう【仏図澄】

?~348) 中国、五胡十六国時代の僧。中央アジアのクチャの出身。310年洛陽に入り、のち後趙王の信奉を得て、多くの寺を建て中国仏教発展の基礎をつくった。漢人の出家が公認される道を開き、門下から道安・竺法汰などが出た。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仏図澄
ぶっとちょう
(232―348)

中国、西晋(せいしん)時代の僧。西域(せいいき)の亀茲(きじ)(クチャ)国の出身。姓は帛(はく)氏。(けいひん)(カシミール)に遊学して説一切有部(せついっさいうぶ)系の仏教を学んだと伝えるが、西域での事績は不詳。310年(永嘉4)79歳のとき洛陽(らくよう)にきて仏教の弘宣(ぐせん)に努め、117歳で(ぎょう)において没した。五胡(ごこ)十六国の戦乱のなかで、残忍な武将であった後趙王の石勒(せきろく)や石虎(せきこ)(在位334~349)を数々の神通(じんずう)によって教化し、後趙の国師として崇(あが)められ、大和上(わじょう)と尊称された。仏典を翻訳することもなく、また著作を残すこともなかったが、893の仏寺を建立し、1万にも上る門徒を導いたと伝えるように、外来の宗教である仏教が中国北地に定着する端緒を開いた。厳格な戒律と禅の実修によって、道安(どうあん)や僧朗(そうろう)(生没年不詳)など、その後の中国仏教の発展に大きく貢献した中国人僧徒を多く養育した。伝記は、『晋書(しんじょ)』巻96「芸術伝」、『高僧伝』巻9「神異篇(じんいへん)」などにみられる。[古田和弘]

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世界大百科事典内の仏図澄の言及

【仏教】より

…五胡の首領は争って仏教を利用し,胡僧の伝える新しい西域文明を軸に,中国の伝統を統一しようとした。亀茲(きじ)(クチャ)から華北に来た仏図澄は,一巻の経論も将来しなかったが,特異の神通力によって後趙の首領石勒を教化し,各地に仏寺を建立させて,多くの有能な漢人僧を育成し,中国仏教の基礎をつくる。前秦王苻健の帰依をうける最初の漢人僧道安は,その弟子の一人である。…

※「仏図澄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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