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伊勢講 いせこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伊勢講
いせこう

伊勢神宮の参詣を目的に集った。本来は個人の信仰心に基づき,自由参加であったが,伊勢信仰の深さから村全体の組織になる場合が多かった。参加者は講員と呼ばれ,一家の戸主がほとんどである。参詣のための費用を積立て,共同出資で代表者を順次派遣するので代参講ともいわれる。代参者の出発または帰着に際しては,全講員が集って酒宴を催すのが通例であった。

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デジタル大辞泉の解説

いせ‐こう【×勢講】

伊勢参宮を目的とした。旅費を積み立て、くじで代表を選んで交代で参詣した。太太神楽(だいだいかぐら)を奉納するので伊勢太太講(だいだいこう)ともいわれる。中世末より近世にかけて盛んに行われた。 春》

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百科事典マイペディアの解説

伊勢講【いせこう】

伊勢参りを目的に組織された信仰集団。共同の積立金,または伊勢山や伊勢講田と呼ぶ山林田畑収入を経費にあて,代参者を順次派遣する。集落中の加入を強制する例もあり,若いとき一緒に参拝した仲間は生涯深い交際を結ぶ。
→関連項目

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世界大百科事典 第2版の解説

いせこう【伊勢講】

伊勢神宮への信仰をもとに結成された信徒集団。講集団のつねとして,村落共同体に根ざす素朴な信仰形態を基盤にした集団が,伊勢参宮(伊勢参り)に重きを置く方式をとるに至ったと推定されるが,その媒介のはたらきをしたのは御師(おし)である。神宮御師の活動は平安末期から見られるが,彼らの指導・斡旋により講の結成が明確に見られたのは室町初期で,《教言卿記(のりとききようき)》応永14年(1407)3月24日条に〈神明講〉とその〈講親〉〈頭人〉が現れるのが初見であろう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

伊勢講
いせこう

伊勢信仰に基づいて組織されている講。神明講ともいう。神明とは神一般の尊称であったものが、のちには伊勢神宮をさす名称として用いられるようになった。多くの場合は参宮を目的に結成されているので、代参講となっている。ただ、鹿児島県北部にはオンジョ講と称して、老人によって構成されているものもある。こうした場合は、決まった期日に宿に集まって飲食を楽しむということが中心になるので、伊勢参りをするわけではない。
 普通は戸主が講員となり、回り番などによって決めた宿に集まって、天照(あまてらす)皇太神の掛軸をかけ、礼拝をしてから飲食をする。旧暦の1、5、9月と年に3回の集まりをもつ所や、毎月あるいは隔月、さらには年1回など、地域性や時代相によって変化がみられる。そこで、くじを引いて、1人ないしは2人が、皆で積み立てている掛け金で伊勢参りに行く。春の仕事前か秋の収穫後に行くことになるが、二年参りといって年末から年始にかけて出かけるものもある。出発の際には代参者が講員を招いて宴を催す。これをデタチなどという。帰還のときも村境まで坂迎えをし、ハバキヌギとかドウブルイという宴を開いて、神札や土産(みやげ)を贈る。同行した者同士はタビヅレなどといって、その後特別に親しいつきあいをすることもある。こうしたものとは別に、伊勢神宮と直接には関係をもたない伊勢講や、神明神社の存在に注意しなくてはなるまい。[佐々木勝]

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世界大百科事典内の伊勢講の言及

【伊勢商人】より

…三井家の江戸進出は,伊豆蔵,富山,家城,中川といったすでに江戸に進出している豪商たちと親類関係にあり,その引立てが大きな力となったことはいなめないだろう。のちに江戸で有力呉服商10人が集まって伊勢講を結んでいる。このメンバーは富山,伊豆蔵,家城,小野田,桜井,三井である。…

【講】より

…東北地方の岩木山講,恐山講,出羽三山講,関東の上毛三山,武州御岳(みたけ),筑波山,三峯,大山の諸講,中部地方では,富士山の浅間(せんげん)講,飯綱(いづな),戸隠,木曾御嶽の諸講,近畿地方では大峰山の山上講,熊野三山講,中国・四国・九州では大山(だいせん),石鎚,金刀比羅,英彦(ひこ)山,阿蘇,霧島の諸講などが有名である。また著名な神社仏閣へ参る伊勢講,善光寺講,鹿島講,香取講,弥彦講,成田講,氷川(ひかわ)講,熊野講,熱田講,天神講,厳島講,住吉講,太宰府講,宇佐講などの参詣講が各地に結成され,住民の信仰心を満たしている。その方式には講の仲間全員が参加する総参り・総参(そうざん)講と,数名を代表者にえらんで行う代参講形式がみられるが,遠隔地では多く後者の形をとる。…

※「伊勢講」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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