住む(読み)スム

デジタル大辞泉 「住む」の意味・読み・例文・類語

す・む【住む/×棲む/×栖む】

[動マ五(四)]
家や場所をきめて、常にそこで生活する。居住する。「空気のよい所に―・みたい」「―・む家もない」
ある領域に身を置く。生きている。「我々とは別世界に―・んでいる人」
(棲む)動物が巣を作って、その中で生活する。生息する。「水辺に―・む鳥」
妻問婚つまどいこんが行われていた時代に)男が夫として女の家に通う。
越前守の思ひて時々―・みける」〈落窪・三〉
[可能]すめる
[類語](1住まう住み着く暮らすじゅうするぐうする居着く居住する在住する現住する定住する安住する永住する常住する転住する移住する先住卜居ぼっきょする居を構える

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「住む」の意味・読み・例文・類語

す・む【住・棲・栖】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
  2. 生活の居所ときめて、その場所にとどまる。そこに居ついて暮らす。
    1. [初出の実例]「朝参(まゐり)の君が姿を見ず久に鄙にし須米(スメ)ば吾(あ)れ恋ひにけり」(出典万葉集(8C後)一八・四一二一)
    2. 「九条といふ所にすみ給」(出典:栄花物語(1028‐92頃)月の宴)
  3. ( 上代・中古の婚姻形態として ) 男が女のもとに夫として通って行って泊まる。女の家に通って夫婦の契りを結ぶ。男女が同棲する。
    1. [初出の実例]「あべの大臣火ねずみのかはきぬもていましてかぐや姫にすみ給ふとな」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「としへてすみける人をすてて、ただあすなんたつと許(ばかり)いへりける時に」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三七五・左注)
  4. 鳥獣虫魚などが巣をつくって、そこにいる。巣を営む。ねぐらとする。
    1. [初出の実例]「あぢの須牟(スム)須沙の入江隠沼(こもりぬ)の あな息づかし見ず久にして」(出典:万葉集(8C後)一四・三五四七)
    2. 「花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  5. 暮らしを立てるための仕事にありつく。就職する。
    1. [初出の実例]「鉄炮あつる足軽にすむ 十石は妻子養ふたねか嶋」(出典:俳諧・西鶴大句数(1677)九)

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