京都の朝廷が日光の家康廟の四月一七日の祭礼に派遣した奉幣使が通行したため名付けられた道筋。京都から中山道を下り、上野国
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
江戸時代、日光東照宮に遣わされた例幣使が通行した街道。日光例幣使街道ともいう。朝廷は1647年(正保4)より毎年日光東照宮に例幣使派遣を開始し、1867年(慶応3)まで続いた。その行程は、京都から中山道(なかせんどう)を通って倉賀野(くらがの)宿に達し、これより例幣使街道玉村(たまむら)、五料(ごりょう)、柴(しば)、木崎(きざき)、太田(おおた)、八木(やぎ)、簗田(やなだ)、天明(てんみょう)、犬伏(いぬぶし)、富田(とみた)、栃木(とちぎ)、合戦場(かっせんば)、金崎(かなさき)の13宿を経て壬生通楡木(みぶどおりにれき)宿から日光に達した。帰路は、宇都宮から千住(せんじゅ)を経て江戸に入り、東海道を通って京都に戻った。例幣使街道は1764年(明和1)に道中奉行(ぶぎょう)支配に加えられている。例幣使一行は、入魂(じっこん)の名目で酒手(さかて)を強要したり、自ら駕籠(かご)から落ちて難題を仕掛けたりしたという。このため多くのエピソードが残っている。
[山本光正]
『大島延次郎著『日本交通史論叢』(1957・吉川弘文館)』▽『相葉伸編『例幣使街道』(1968・みやま文庫)』▽『五十嵐富夫著『日光例幣使街道』(1977・柏書房)』
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