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免疫グロブリン めんえきグロブリン immunoglobulin

翻訳|immunoglobulin

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

免疫グロブリン
めんえきグロブリン
immunoglobulin

脊椎動物の体液中に存在し,リンパ系細胞によって生産される蛋白質で,抗体およびこれと構造・機能上関連をもつもの。体液性抗体ともいい,これによる免疫反応液性免疫と呼ぶ。分子量などに基づいて5つのクラス (IgGIgM,IgA,IgDIgE) に分けられるが,どのクラスも分子としての基本構造は変らない。

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デジタル大辞泉の解説

めんえき‐グロブリン【免疫グロブリン】

抗体としての構造・機能をもつ一群の血清たんぱく質。血液・リンパ液中に含まれるγ(ガンマ)グロブリンのほとんどはこれで、形質細胞などで生成される。分子の形はY字状をし、抗原結合部位をもつ。略記Ig イムノグロブリン。γ(ガンマ)、α(アルファ)、μ(ミュー)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)という重鎖の種類から、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分類される。

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百科事典マイペディアの解説

免疫グロブリン【めんえきグロブリン】

抗体活性をもつ血清グロブリンの総称。Igと略記。2本のH鎖(重鎖)と2本のL鎖(軽鎖)からなる共通の基本構造をもつ糖タンパク質で,分子量15万程度のものが多い。
→関連項目アレルギー・マーチアレルゲン帯状疱疹

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栄養・生化学辞典の解説

免疫グロブリン

 イムノグロブリンともいう.抗体,もしくはそれと構造的に,機能的に関連しているタンパク質を総称していう.A,D,E,G,Mの五つのクラスがある.H鎖とL鎖で構成されている.

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世界大百科事典 第2版の解説

めんえきグロブリン【免疫グロブリン immunoglobulin】

抗体タンパク質の総称。血清のタンパク質は電気泳動によりアルブミンとα‐,β‐,γ‐グロブリンに分画されるが,抗体はほとんどがγ‐グロブリン画分に見いだされ,また,γ‐グロブリン画分のタンパク質の大部分は抗体であることから,抗体タンパク質は古くからγ‐グロブリンと呼ばれていた。1960年代に,抗体には部分的に構造の異なるクラスやサブクラスとよばれるいくつもの種類があるが,すべての抗体タンパク質は類似した基本構造をもつことが明らかとなり,これを免疫グロブリンと総称することになった。

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大辞林 第三版の解説

めんえきグロブリン【免疫グロブリン】

イムノグロブリン(immunoglobulin; Ig)。 γ グロブリンを構成する主要なタンパク質。抗体の本体で、すべての脊椎動物の血清および体液中に含まれる。 B 細胞由来の形質細胞から生産され、性状によって五つのクラスに分けられ、それぞれ特異的な機能を示す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

免疫グロブリン
めんえきぐろぶりん
immunoglobulin

イムノグロブリンともいう。脊椎(せきつい)動物の血液や体液中にあって抗体としての機能と構造をもつタンパク質の総称で、Igと略記する。血清中のγ(ガンマ)-グロブリンは、ほとんどがIgである。その基本構造は分子量約2万3000のL鎖2本と約5万~7万のH鎖2本がジスルフィド架橋(S‐S架橋)により結合したもので、全体で約15~19万の分子量になる。H鎖の種類、γ、α(アルファ)、μ(ミュー)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)により、それぞれIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分けられる。IgGには四つのサブクラスがあり、IgAには二つのサブクラスがある。L鎖は各クラスにκ(カッパ)とλ(ラムダ)の2種がある。同じクラスに属するものでもL、H両鎖のアミノ末端から110番目まではアミノ酸配列が多様で、可変領域とよんでいる。これによって個々の抗原に対応して特異的に結合するための立体構造をもつ抗原結合部位がつくられる。分子の形はいわばY字形で、二つの上端が等価の抗原結合部位であるのに対し、下端(カルボキシ末端)側は抗原と結合した抗体が補体や細胞と結合するなどの生物活性を示す部位である。
 IgGは、分子量約15万5000で血清中にもっとも多く、1リットル当り8~18グラム含まれており、すべてがなんらかの抗原に対応する抗体である。IgAは基本単位が分子量約17万で、分子量約50万の三量体をつくっている。外分泌液中にあって粘膜における感染の防御を担っている。IgMは分子量約18万の基本構造の五量体であり、IgDは分子量約17万2000である。IgEは分子量約19万~20万で糖の含有量が多く、アレルギー反応に関与する。ある抗原の刺激を受けた一つのリンパ球B細胞は分化して免疫グロブリンを分泌する形質細胞(抗体産生細胞)となり、この抗原に対応する抗体だけを合成する。骨髄腫(しゅ)はこのような形質細胞が腫瘍(しゅよう)化したもので、一つの抗原決定基に対応する均一な抗体をつくる。ある抗体産生細胞と骨髄腫細胞を細胞融合させ、増殖させることによってこの均一な抗体、モノクローナル抗体(単クローン性抗体)を大量につくることができる。[野村晃司]
『畔柳武雄他編『免疫学叢書6 免疫グロブリン』(1970・医学書院) ▽新版日本血液学全書刊行委員会編『日本血液学全書8 血漿蛋白と免疫グロブリン』(1981・丸善) ▽山村雄一・岸本忠三編『岩波講座 免疫科学1 免疫学入門』(1986・岩波書店) ▽橘武彦著『免疫学への招待』(1986・日本評論社) ▽河西信彦・森洋樹編、田元浩一他著『入門 免疫学』(1989・講談社) ▽Edwin L. Cooper著、西東利男監訳、倉茂達徳他訳『図解免疫学』(1990・西村書店) ▽三浦謹一郎編『蛋白質の機能構造』(1990・丸善) ▽M. J. Owen著、垣生園子他訳『免疫系の認識機構――分子レベルからみた二大レセプターの構造と認識』(1991・南江堂) ▽マックス・ペルツ著、林利彦他訳『生命の第二の秘密――タンパク質の協同現象とアロステリック制御の分子機構』(1991・マグロウヒル出版) ▽赤坂一之編『タンパク質研究の最前線』(1991・さんえい出版) ▽寺田信国編著、佐藤紀朗著『わかりやすい免疫学』(1991・メディカルレビュー社) ▽松本秀雄著『日本人は何処から来たか――血液型遺伝子から解く』(1992・日本放送出版協会) ▽小室勝利編『免疫グロブリン療法』(1992・近代出版) ▽日本生化学会編『新・生化学実験講座12 分子免疫学(3)抗原・抗体・補体』(1992・東京化学同人) ▽奥村康著『免疫のはなし』(1993・東京図書) ▽奥原英二著『一般生化学』(1993・南江堂) ▽松橋直他編『最新臨床免疫学』(1994・講談社) ▽菊地浩吉・菊地由里著『最新免疫学図説』(1995・メディカルカルチュア) ▽菊地浩吉他編『Annual review――免疫(1995)』(1995・中外医学社) ▽奥平博一・宮本昭正著『やさしいアレルギー・免疫学』(1998・日本医事新報社) ▽磯部敬著『免疫異常と腫瘍の接点――モノクローナル免疫グロブリン症』(1998・医薬ジャーナル社) ▽矢田純一編『臨床医のための免疫キーワード100』(1999・日本医事新報社) ▽宮坂信之他編『新版 臨床免疫学』(2001・講談社)』

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世界大百科事典内の免疫グロブリンの言及

【アトピー】より

…25年にはコカ自身によって,アトピー罹患患者の血清中に,皮膚反応によって証明される抗体様物質が高率に存在することが明らかにされ,コカはこの物質をアトピー性レアギンatopic reaginと名づけた。このアトピー性レアギンの本態は,66年石坂公成らにより,特異な生物活性をもった免疫グロブリン(IgE)に属する抗体であることが証明された。体外から侵入した抗原物質(アレルゲン)に対してIgE抗体が産生される状況は,個人個人によって異なり,遺伝傾向が強い。…

【アレルギー】より

…かつては即時型と遅延型に2に大別されていたが,最近では以下のようにI型からIV型に分けられるようになった。(1)I型のアレルギー反応 アナフィラキシー型反応ないし免疫グロブリン中のIg E(immunoglobulin Eの略)と関係が深いことからIg E依存型反応とも呼ばれている。(2)II型のアレルギー反応 細胞,組織の破壊ないし融解をもたらす反応。…

【形質細胞】より

…機能的には,抗体を合成・分泌する抗体産生細胞の大半を占め,抗体産生細胞と同義に用いられることもある。形質細胞の細胞質は,無数のリボソームを外面に付着した粗面小胞体で埋められ,その中に抗体すなわち免疫グロブリンを入れている。このリボソームにより,細胞質は好塩基性色素で濃染される。…

【血液】より

…炎症は感染などの外からの刺激に対抗して生体内に生ずる防御反応であり,血液中に存在する抗体,補体,白血球の協同作用により行われる。抗体は,リンパ球が分泌する免疫グロブリンで,再感染を防ぐのに役だつ。補体は,単独または抗体と結合して活性化されたものが細菌などに結合して,これを融解させる作用がある。…

【抗原認識】より

…B細胞とT細胞では抗原受容体が同じではなく,抗原認識の仕組みも異なることが知られている。B細胞の受容体は,本質的には抗体タンパク質(免疫グロブリン)と同一の分子であり,これに抗原が結合することがB細胞活性化の引金となる。T細胞の抗原受容体は抗体分子とは異なるものであるが,抗体分子の場合と似た遺伝子組換えの仕組みによってT細胞が未熟な前駆細胞から分化してくる間に細胞ごとに異なる抗原特異性をもった受容体が細胞表面に出現する。…

【抗体】より

…B細胞が抗体産生細胞の前駆細胞であって,抗原で刺激されると,通常T細胞の補助効果を受けながら増殖,分化して抗体を合成,分泌するようになる。
【抗体の分子構造と種類】

[抗体の構造]
 抗体タンパク質にはいくつもの種類があって免疫グロブリンと総称されるが,免疫グロブリンはすべて共通の基本構造を有する。抗体タンパク質は大小2種のポリペプチド鎖,すなわちH鎖(heavy chain,分子量約5万)とL鎖(light chain,分子量約2万3000)からなる。…

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