鹿児島県西部の川内川下流域に位置する沖積平野。薩摩川内市(さつませんだいし)が占める。周囲を比較的低い山地に囲まれ、盆地状の低平地であって、中心部に薩摩川内市街地が形成されている。周辺山地はおもに第三紀の安山岩類(輝石(きせき)安山岩、角閃石(かくせんせき)安山岩など)からなるが、それら縁辺には開析の進んだシラス台地もみられる。川内川河口の両岸にはごく一部に古生層の山塊がある。盆地底にあたる部分は地盤高度が低く、周囲の山地から流入する小支流も多いため水害常襲地となっていた。市外地には水田が広く分布する。開発の歴史は古く、薩摩国分寺跡(国指定史跡)や条里制遺構などもある。現在、上流の鶴田ダム、河口右岸の火力発電所や左岸の原子力発電所などによる電力供給の拠点ともなっている。
[塚田公彦]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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