八坂八浜(読み)やさかやはま

日本歴史地名大系 「八坂八浜」の解説

八坂八浜
やさかやはま

牟岐浦から海南かいなん浅川あさかわまでの約九キロにわたる海岸岩礁砂浜が交互に続く風光明媚な景観で、室戸阿南むろとあなん海岸国定公園に含まれる。正保四年(一六四七)の海陸道度帳に牟岐大むぎおお坂・牟岐松むぎまつ坂・古江ふるえ坂・はぎヶ坂・鍛冶屋かじや坂・粟浦あわうら坂・からうと坂がみえ、土佐街道筋で、内妻うちづま浅川には一里松が設けられていたが、景勝として知られるのは後代であろう。「阿波名所図会」では八坂八浜として、大坂内妻の浜・松坂古江の浜・歯朶しだ九島くしまの浜・福良ふくら坂ふくら浜・萩坂しろつぼの浜・鍛冶屋かじや苧綱おづなの浜・くすおけ島の浜・借戸かいと三浦みうらの浜が記される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「八坂八浜」の意味・わかりやすい解説

八坂八浜
やさかやはま

徳島県南東部の紀伊水道に臨む海岸。海部(かいふ)郡牟岐(むぎ)町から海陽町浅川湾にかけての約13キロメートルの海岸は、大坂、内妻(うちづま)の浜など岬(坂)と入り江(浜)が交互に現れる。室戸阿南(むろとあなん)海岸国定公園の一部で、北部海岸はかつては桜の名所であったが、国道55号(土佐街道)の改修などで少なくなった。内妻の浜はサーフィンに利用される。

高木秀樹]

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改訂新版 世界大百科事典 「八坂八浜」の意味・わかりやすい解説

八坂八浜 (やさかやはま)

徳島県南部,牟岐(むぎ)町から南西へ海陽町浅川につづく延長12kmの海岸。八つの坂と八つの浜があるとして名づけられた景勝地で,入江と岬が交互にあって変化に富む。室戸阿南海岸国定公園に含まれ,特に牟岐町白木までの北半部は桜の名所で,街道の木の間から青い海が見えがくれする。牟岐町の内妻海岸はサーフィンに利用されている。JR牟岐線,国道55号線が海岸沿いに走る。海陽町浅川の鯖瀬には弘法大師伝説をもつ鯖大師(八坂山鯖瀬大師堂)がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八坂八浜」の意味・わかりやすい解説

八坂八浜
やさかやはま

徳島県南東部,牟岐町灘から海陽町浅川までの海岸線で,全長約 10kmに及ぶ。沈水性の岩石海岸で入江が多く,海に突出した部分が坂,その間にある砂浜が浜と呼ばれ,それぞれ八つあり交互に並んでいる。中間地点に四国八十八ヵ所番外札所の鯖大師 (八坂寺) がある。国道 55号線に沿ってサクラ並木が続く景勝地で,室戸阿南海岸国定公園に属する。

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