八寸(読み)ハッスン

デジタル大辞泉の解説

はっ‐すん【八寸】

1寸の8倍の長さ。約24.2センチ。
懐石料理で、主客が杯の献酬をする際の取り肴(ざかな)。また、それを数種類盛り合わせる約24センチ四方の器。白木(しらき)製であるが、会席料理では塗りの木皿を使い、形も四角に限らない。八寸膳
近世、上野(こうずけ)国信濃国などから産した厚手の和紙。

や‐き【八寸】

馬の、背たけが4尺8寸あるもの。大きくたくましい馬をいう。馬のたけは4尺を標準とし、それ以上は寸だけで数えた。
「―の馬とぞきこえし」〈平家・九〉

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典の解説

はっすん【八寸】

①懐石に用いる器の一つ。杉木地で8寸(約24cm)四方の縁のある盆。
②懐石で、「①」に盛った料理。一汁三菜(さらにあれば預け鉢)などの食事が済み箸洗いが出たあと、亭主と客が酒の献酬(けんしゅう)をする際に肴(さかな)として珍味などを盛った「①」を亭主が持ち出し、客に一人ずつ取り分ける。動物性のものと植物性のもの2種を盛ることが多い。⇒懐石
会席料理などの日本料理で、酒のになる料理を数種、少量ずつ一皿に取り合わせたもの。◇「口代わり」「口取り」ということもある。

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大辞林 第三版の解説

はっすん【八寸】

一寸の八倍の長さ。
懐石料理で、八寸角の器。また、それに盛った料理。赤杉の木地で作った盆に、三種から五種の珍味などを少量ずつ盛る。
近世の和紙の一種。上野こうずけ(群馬)・信濃(長野)などに産した厚紙。
一尺八寸」に同じ。

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食器・調理器具がわかる辞典の解説

はっすん【八寸】

➀懐石に用いる器の一つ。杉木地で8寸(約24cm)四方の縁のある盆。
➁懐石で、「➀」に盛った料理。一汁三菜(さらにあれば預け鉢)などの食事が済み箸洗いが出たあと、亭主と客が酒の献酬(けんしゅう)をする際に肴(さかな)として珍味などを盛った「➀」を亭主が持ち出し、客に一人ずつ取り分ける。動物性のものと植物性のもの2種を盛ることが多い。
➂会席料理などの日本料理で、酒の肴になる料理を数種、少量ずつ一皿に取り合わせたもの。◇「口代わり」「口取り」ということもある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

はっ‐すん【八寸】

〘名〙
① 一寸の八倍。約二四センチメートル。
※羅葡日辞書(1595)「Palmarius〈略〉ナガサ fassunno(ハッスンノ) モノ、または fassunzzutçu(ハッスンヅツ) アマタ アル モノ」
② 会席料理で杯事の酒肴をいう。また、それを載せる八寸角の折敷。
※岐路弁疑(1704)「利休〈略〉もちを取来り、新き八寸に入、楊枝など奇麗にして出しけるを、休つくづくと見らるるに、見覚へたる心ちす」
※談義本・教訓雑長持(1752)四「いが栗、渋柿、ようらくさげたごとく見ぐるし。あれも八寸か、三方に備へてくれかし」
③ 野菜や魚を薄味に煮て、径八寸の平椀か鉢に盛った広島県の農村に伝わる祝事の料理。
近世、下野国(栃木県)や信濃国(長野県)などから産した厚紙。大八寸・中大八寸・小八寸などの種類があった。八寸紙。
⑤ 囲(かこい)の次位にあたる遊女の呼び名。揚げ代が八匁であったところからの称。
浮世草子・御前義経記(1700)一「鹿恋 天神より又一段さがりて〈略〉八寸とも女の子共、鹿とも」

や‐き【八寸】

〘名〙 馬の丈(たけ)にいう語。馬の丈が四尺八寸あることで、丈高くたくましい馬にいう。馬の丈は四尺を標準とし、それ以上は寸だけで数えた。→寸(き)
※宇津保(970‐999頃)吹上上「つるぶちなる馬のたけやきばかりなる一つ」

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