デジタル大辞泉 「其」の意味・読み・例文・類語
し【×其/×汝】
1 中称の指示代名詞。それ。
「
2 二人称の人代名詞。おまえ。
「うつくしく―が語らへばいつしかも人となり出でて」〈万・九〇四〉
3 反射代名詞。その者自身をさす。おのれ。
「―が身の程知らぬこそいと心憂けれ」〈落窪・一〉
専ら格助詞「が」を伴って用いられるが、「の」を伴わないところから、これを指示代名詞とせず、人代名詞に入れるのが妥当とする説もある。→そ
上代ではまだ名詞相当の用法を持ち、格助詞「が」「の」「を」や係助詞「は」「も」等を伴って、事物、人、話題等をさすのに用いられた。中古以降、次第に「それ」にとってかわられ、中世末には「その」以外の「そ」の用法はほとんど用いられなくなる。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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