其其・夫夫(読み)それぞれ

精選版 日本国語大辞典 「其其・夫夫」の意味・読み・例文・類語

それ‐ぞれ【其其・夫夫】

〘名〙 (「それそれ」とも。代名詞「それ」を重ねた語) めいめい。おのおの。
※応永本論語抄(1420)子罕第九「喩ば鳥は飛に宜きやうに羽を以て、魚は水に宜きやうにひれを付る也。如此それそれの宜き所をうるを、義の和とは云也」
狂言記拄杖(1730)「出家になれば、それぞれの法をつとめ、経・だらにも覚ねばならず」
[語誌](1)「各自」の意味を表わす語として「おのおの」「めいめい」「それぞれ」等があるが、「おのおの」は平安時代に生じ、「面々」から転じた「めいめい」は中世に発生したのに対し、「それぞれ」は最も遅れて室町時代中頃から見え始める。
(2)「おのおの」「めいめい」は専ら人について用い、対称用法も持つのに対し、「それぞれ」は人にも事物にも用いるが、対称の用法はない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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