728年(神亀5)設置の令外官。中務(なかつかさ)省に所属し,頭・助・大允・少允・大属・少属のいわゆる四等官,その下に史生・使部,各種匠手(たくみ)を置き,巧匠・技芸の事をつかさどる。〈内〉の字を用いることから知られるように,もっぱら宮廷の需要に応じるための官庁。774年(宝亀5)大蔵省の典鋳司を併合,796年(延暦15)錦・綾・羅(うすはた)等を織る匠手20人を中務省の内蔵寮へ分割,808年(大同3)中務省の画工司,大蔵省の漆部(ぬりべ)司を併合。所属の各種工人は,画工,細工,金銀工,玉石帯工,銅鉄工,鋳工(いもじ),造舟工,造屛風工,漆塗工,木工,轆轤(ろくろ)工,埝(にう)工,革筥(かわばこ)工,黒葛(くろつづら)工,柳箱(やないばこ)工の15業種にわたり総計120人に及んだ。本寮の職務内容はこれによってうかがわれる。本寮の職務は木工寮(もくりよう),修理職(しゆりしき)と重複するところもあり,後にはややその職の範囲はせばめられた。明治以降復活したそれは皇室財産中の建物を管理したが,第2次大戦敗戦後消滅した。
執筆者:黛 弘道
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…この結果,地方にも紋織の技術が普及し,織物の一層の発展をみるに至った。中央官庁では中務省所管の内匠寮(たくみのりよう)でも錦や綾や羅が生産されていたが,それらは内匠寮の職掌から考えれば衣料以外の装飾用裂地等であったとみられる。以上のような生産組織で作られた織物の内容は,正倉院の伝世品によってほぼ概要を知ることができる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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