再生可能エネルギー(読み)さいせいかのうエネルギー(英語表記)renewable energy

翻訳|renewable energy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

再生可能エネルギー
さいせいかのうエネルギー
renewable energy

太陽熱,風力バイオマスなど地球の自然環境のなかで繰り返し生起し,再利用可能か,または無尽蔵な供給が可能なエネルギー。1970年代の石油危機を機に脚光を浴び,積極的に研究開発された。(1) 太陽の光エネルギー(→太陽エネルギー)を利用する太陽光発電,(2) 力学的エネルギーを利用する風力発電波力発電,(3) 熱エネルギーを利用するソーラーシステム,地熱発電海洋温度差発電,(4) 生物を利用するバイオマス・ガスなどがある。これらに対し,石油や石炭などのエネルギー資源は,いったん燃焼すると再生不可能であり,資源量にも制約があるため枯渇性エネルギーと呼ばれる。再生可能エネルギーは,エネルギー密度が小さいことやエネルギー量が変動しやすいことなどから,低コスト化と安定供給が課題であるが,環境への影響も少なく,重要なエネルギー源の一つである。

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知恵蔵の解説

再生可能エネルギー

資源が有限で枯渇性の石炭・石油などの化石燃料原子力とは異なり、太陽光太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱など、自然現象の中で更新されるエネルギー。ただし、環境に大きな影響を与えるダム式水力は区別される。クリーンで地域分散型であるため、期待は大きく、2010年までに1次エネルギー供給の12%へと倍増を目指す欧州委員会白書(1997年11月発表)や02年のヨハネスブルク・サミットで数値目標が最大の政治課題になるなど、欧州ではエネルギー政策の中心に位置づけられる。なお、「新エネルギー」は石油危機後の1974年に通産省(現・経済産業省)が打ち出した日本政府独特の用語だったが、2006年の新エネルギー部会答申で、地熱や中小水力を含めてほぼ再生可能エネルギーと共通の定義に見直された。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

再生可能エネルギー

枯渇せず二酸化炭素も出さないエネルギー。電力自由化で再生エネを使う電力会社を選べるようになる。既存の送電網を使うため、ほかの電気と区別はつかないが、再生エネを応援する意思を示すことになる。

(2016-02-28 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

さいせいかのう‐エネルギー【再生可能エネルギー】

自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生され、半永久的に供給され、継続して利用できるエネルギー。有限の資源である化石燃料などに代わる、新エネルギー(中小規模水力地熱太陽光太陽熱風力・雪氷熱・温度差バイオマスなど)、大規模水力、波力・海洋温度差熱などのエネルギーをさす。自然エネルギー再エネRE(renewable energy)。
[補説]エネルギー変換効率やコスト、需給バランスなどの問題点も残されているが、温室効果ガスを排出することなくエネルギーを得られるため、地球温暖化対策の一つとしても重要視されている。

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百科事典マイペディアの解説

再生可能エネルギー【さいせいかのうエネルギー】

太陽光,太陽熱,風力など,一度使用しても再び同じ形で利用することができるエネルギーの総称。ほかに波力,海洋温度差,バイオマス,水素,地熱,核融合などがある。石油,石炭など一度燃料として使用すると元に戻らないものは枯渇性エネルギーと呼ばれ,資源量には限界がある。再生可能エネルギーは無尽蔵だが,大規模供給が困難で,経済性も低い。1994年の新エネルギー導入大綱において重点導入を図るべき新エネルギーと位置付けられ,太陽光発電,風力発電,太陽熱利用,温度差エネルギーなどの分野で技術開発や導入促進のため施策が実施されている。また,下水汚泥処理の過程で発生する消化ガスや,農業副産物などの生物資源から得られるバイオマスエネルギーは,未利用エネルギーの有効活用という側面からも評価される。近年,地球温暖化対策が緊急課題として世界的に意識され,再生可能エネルギーの確保には,関連産業への巨額投資が見込まれており,その経済効果が期待されている。2008年欧州議会が,2020年までに供給エネルギーの20%を再生可能エネルギーにするという包括的な温暖化対策法案を可決するなど,各国で取り組みが加速されている。なかでもドイツは,2010年の目標をすでに達成するなど積極的に導入しており,関連投資は,年間100億ユーロを超えるといわれる。日本も2009年9月,鳩山由紀夫首相が国連で演説し,2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減という,いわゆる鳩山イニシアチブを提言,温暖化対策に積極的に取り組む姿勢を鮮明にしており,再生可能エネルギーの確保に向けて関連投資の拡大が期待されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

再生可能エネルギー
さいせいかのうえねるぎー
renewable energy

自然界から半永久的に得られ、継続して利用できるエネルギー。有限でいずれ枯渇する化石燃料やウラン燃料などと異なり、自然の営みによってエネルギー源が絶えず再生・供給されるため、こうよばれている。再生エネルギー、自然エネルギーもほぼ同義語である。太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマス(生物資源)、中小水力、大規模水力、雪氷熱、波力・潮力、海水温度差熱などが該当する。大規模水力はダムなどを建設して自然を破壊するため、除外する考え方もある。再生可能エネルギーは資源枯渇を招かず、エネルギー自給率を向上させる効果がある。また、有害物質を排出しないため環境に優しく、とくに二酸化炭素などの地球温暖化ガスを排出することなく発電できることから、温暖化対策の一つとして重要視される。一方で、再生可能エネルギーによる発電コストは化石燃料や原子力に比べて高いことや、太陽光、風力、潮力などは天候により稼働率が左右されるため安定性に欠けることなどが、普及の足かせになっている。このため再生可能エネルギーで発電した電気を通常価格より高い価格で買い取るよう電力会社に義務づける固定価格買取制度FIT)を導入し、再生可能エネルギーの普及を促す国が増えている。再生可能エネルギー先進国のドイツやスペインは同制度を導入し、国際エネルギー機関(IEA)の調べでは、2014年時点の総発電量に占める再生可能エネルギー(大規模水力を除く)比率がスペインで26.1%、ドイツで24.6%に達している。これに対し日本は3.2%(水力を含めても12.2%)にとどまっており、日本政府は2030年までに22~24%にする目標を掲げている。
 なお、新エネルギーとは、再生可能エネルギーのうち普及のための支援が必要なエネルギーをさす日本独特の用語である。また石油代替エネルギーは再生可能エネルギーに、原子力、石炭、天然ガスを加えたものをさす。[編集部]

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