翻訳|condenser
気体を液化させるための装置。蒸気機関の復水器(蒸気回収用凝縮器)や冷凍機用凝縮器のように取り扱う物質が単一の場合には、その液の沸点は圧力(蒸気圧)によって定まるので、その温度以下に冷却することによって、蒸気を凝縮液化させることができる。 はその概念を示す。点Aの状態(温度tA、圧力pA)の蒸気を圧力一定の下で冷却すれば温度tBにおいて凝縮する。他方、温度は一定でも圧縮することによって圧力pCにおいても凝縮がおこる。しかし、多くの場合前者の方法が用いられ、とくに後者と区別する必要がある場合「冷却凝縮器」cooler condenserとよばれる。
大気中の湿度調整の場合のように凝縮性蒸気(水蒸気)と非凝縮性ガス(操作する温度範囲で凝縮をおこさない成分――空気)との混合物を取り扱う場合も、図の圧力を蒸気分圧として同様に考えてよいが、実際の操作では非凝縮性ガスが冷却面への蒸気の拡散を妨げることなどもあって、凝縮器の設計は単一成分の場合より複雑となる。また、蒸留装置の塔頂凝縮器のように、凝縮成分が2成分以上の場合には、凝縮過程で蒸気組成と凝縮液組成が異なることにも留意する必要がある。
凝縮器は気相から液相への相変化を目的とする装置であるが、初期状態から飽和温度までの顕熱ならびに凝縮潜熱を除去する必要があり、この面では一種の熱交換器と考えてよい。したがって凝縮器の型式は熱交換器と同様であり、とくに垂直型または水平型の多管式のものが多く用いられる。
三重点(物質によって定まっている)以下で操作する場合には気‐固間の相変化となり凝縮物は固相として得られる( )。昇華の逆向きの操作であり、真空排気系や放射性ウランの遠心分離操作のなかで、低温トラップとして用いられている。
[河村祐治]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
コンデンサーともいう.凝縮性ガスを冷却して凝縮液化する装置.冷却には冷水を用いることが多いが,化学工業では,ブラインやそのほかの種々の冷媒を用いて冷却を行うこともある.形式としては,ガスと冷媒とが金属表面を通して間接に熱交換を行う表面凝縮器と,直接接触して凝縮させる混合凝縮器(ジェット凝縮器,低位エジェクター凝縮器など)とがある.また,精留塔の塔頂からの蒸気を全部凝縮させる全凝縮と,一部を凝縮させる分縮器とがある.なお,被凝縮ガスが水蒸気のみの場合には復水器とよばれている.[別用語参照]熱交換器
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一般に,蒸気相にある物質からその潜熱を奪って液化させる装置をコンデンサーcondenser,または凝縮器というが,凝縮する蒸気が水蒸気の場合,とくに復水器という。復水器の最大の用途は蒸気原動所における蒸気タービンの排気の復水で,復水器を置くことによって,タービン排気を大気圧よりずっと低い復水器真空で引くことができるうえ,復水はきわめて良質の蒸留水であるのでボイラー用給水として循環使用することができる。…
…液体を加熱して気化させ,これを再び液体とするのに用いる器具。凝縮器あるいはコンデンサーともいう。主としてガラス製であるが,銀,スズなどの金属を使うこともある。…
※「凝縮器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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