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出産前の心得と準備 しゅっさんまえのこころえとじゅんび

家庭医学館の解説

しゅっさんまえのこころえとじゅんび【出産前の心得と準備】

●入院に備えての準備
 入院に備えての準備としては、身体的準備、精神的準備、物品の準備の3つがあげられます。
 身体的準備 分娩(ぶんべん)時に、お母さんの体調が最高の状態であることがのぞまれます。そのためには、妊娠中からの調整が必要です。
 まず、合併症があれば、厳重な管理を行なうようにします。
 また、妊婦健診などで病気や異常の有無をチェックし、早めに治療を行ないます。
 つぎに、妊娠中の姿勢や動作に注意し、適切な栄養、休息をとり、調子のよい状態で分娩に臨めるようにします。とくに、分娩時にはかなりの体力を必要とするので、妊娠末期(妊娠10か月ごろ)からは栄養・睡眠・休息に注意し、活力を蓄えて、疲労のない状態で分娩に備えておきます。
 また、呼吸法や弛緩(しかん)法を分娩時に実践することにより、分娩がすみやかに進むことがあるので、妊娠中から修得しておくとよいでしょう。
 精神的準備 順調に分娩を進めるにあたり、いちばん重要な項目です。なぜなら、極度の緊張や不安は難産のきっかけになるからです。
 そのために、お産の恐怖や不安をやわらげることを目的として、母親学級(「妊娠とわかったら」の母親学級を利用しよう)に出席したり、呼吸法や妊婦体操(「安産のための妊婦体操」)などを習うのもよい方法です。
 また、夫や家族と相談して、入院中の心配は取り除いておきましょう。
 経済的なことは市町村の福祉課、病院によってはケースワーカーなどに相談し、分娩に集中できるようにしておきましょう。
 そのほかのわからないことや不安なことは、あらかじめ医師や助産師に質問し、解決しておきましょう。
 しかし、もっとも重要なことは、分娩はあくまで自然の営みの1つであるということを理解しておくことです。そして、自信をもって取り組むようにしましょう。
 物品の準備 妊娠6~8か月ごろに行ないましょう。用意するものは各施設によって異なるので、そのころに問い合わせておきます。
 母親の入院必要品と、生まれてくる新生児の退院時に着せる服は、妊娠末期になったらバッグに入れて、いつでもそれを持って入院できるようにしておきましょう(図「入院時に持参する用品(例)」)。
●入院前の守るべき注意
 余裕のあるうちに、入院時にどのような交通手段を利用するのか(たとえば自家用車か、タクシーか、実家の車か、昼はどうするのか、夜はどうするのかなど)を、前もって相談しておきましょう。
 また、分娩施設までの所要時間も、確認しておきましょう。
 前駆陣痛(ぜんくじんつう)などが始まり、入院の時期が近づいてきたら、シャワーをすませておきましょう。
 また、化粧やマニキュアはおとし、指輪もはずしておきましょう。
●産徴(さんちょう)(おしるし)
 分娩が近づくにつれ、徐々に子宮頸管(しきゅうけいかん)が開いてきます。このとき、頸管付近の卵膜(らんまく)が子宮壁から剥離(はくり)し、脱落膜血管が断裂して、多少の出血がおこります。この出血が頸管粘液といっしょに排出されますが、これを産徴といいます。色は茶褐色~赤色が多くみられます。
●入院する時期
 入院する時期には、陣発時(じんぱつじ)、破水時(はすいじ)、出血時などが考えられます。
 陣発時 陣発とは、規則的に10分間隔くらいの間欠的な子宮収縮がおこったとき、または、1時間に6回の子宮収縮がおこったときをいいます。
 陣痛が始まってすぐ分娩になることはまずありません。あわてず時計を見て、正確に把握しましょう。
 ただし、経産婦で前回の分娩の早かった人は、早めに入院したほうがよいでしょう。
 破水時 破水とは、卵膜がやぶれ羊水(ようすい)が流出することをいいます。
 破水前は、胎児や羊水は卵膜で包まれ、子宮内腔(しきゅうないくう)は産道(さんどう)とじかに接していないのですが、破水により子宮の外とつながり、長いこと放置しておくと胎児感染の原因になります。
 また、まれにですが、破水時に臍帯(さいたい)(へその緒(お))が腟内(ちつない)に脱出してしまうことがあります(臍脱(さいだつ))。これは胎児にとって非常に危険な状態です。
 破水したときは、陣痛がおこらなくても、分娩施設に連絡しましょう。
 また、破水のときは、シャワーや入浴は避けてください。
 出血時 産徴とちがい、鮮血が多量に出たときには、すぐ医師に連絡し指示にしたがいましょう。
 とくに、持続的な強い痛みをともなうときには、出産前に胎盤(たいばん)がはがれてしまい、母児ともに危険な常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)(「常位胎盤早期剥離(早剥)」)が疑われるので、分娩施設に連絡し、早めに入院したほうがよいでしょう。
 以上の3項目のうち、約70%の人が陣発で入院します。
 一般に産徴が現われたり、不規則な陣痛が頻繁(ひんぱん)におこる(前駆陣痛)ようになると、陣発や破水がおこりやすくなり、入院が近いと予想されます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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