日本歴史地名大系 「函石浜遺跡」の解説
函石浜遺跡
はこいしはまいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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京都府京丹後(きょうたんご)市久美浜(くみはま)町函石浜にある弥生(やよい)時代を主とした複合遺跡。日本海と久美浜湾とを隔てる砂嘴(さし)の東端基部付近東西500メートル、南北約400メートルの範囲が国史跡に指定されている。指定名称は「函石浜遺物包含地」。遺跡の実態については不明な点が多いが、弥生土器は前期~中期のものがあり、貨泉2個および無茎(むけい)式・有茎式の銅鏃(どうぞく)が表面採集されていることがこの遺跡の名を高くした。ほかに後期の縄文土器片や、石鏃、磨製石斧(せきふ)、磨製石剣、石錘(せきすい)、勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)なども採集され、また、須恵器(すえき)を副葬した箱形石棺も発見され、土師器(はじき)、須恵器や平安時代の銭貨が散布する地点もある。
[石部正志]
京都府京丹後市久美浜町箱石にある弥生時代の遺跡。中国の新代の貨泉2個と,銅鏃などを出土したことで早くから著名である。遺跡は久美浜湾口の東から西へ突出した小半島のつけ根部分に位置し,日本海に面した海岸砂丘の広い範囲に遺物包含層がある。ただし,古墳時代の箱式石棺1基のほかは,遺構はよくつかめていない。弥生土器には前期のものと中期のものがあり,とくに前者には本州西端で前期末に盛んに用いられた綾杉文などの文様で飾ったものが出土することから,丹後地方への弥生文化が畿内からのルートのほか,日本海沿岸伝いに到達したことを証明している。ほかに石鏃,磨製石斧,磨製石剣,石錐,勾玉,管玉なども出土している。以上のほか,縄文土器若干,土師(はじ)器,須恵(すえ)器,それに皇朝十二銭の富寿神宝や貞観永宝,また青磁なども採集されている。
執筆者:工楽 善通
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…海岸部と久美浜湾は山陰海岸国立公園の一部となっており,小天橋海水浴場には関西各地から人が集まり,民宿業が盛ん。北東端には縄文~平安時代に至る函石浜遺跡(史)がある。JR宮津線,国道178号線が通じる。…
※「函石浜遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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