初倉荘(読み)はつくらのしょう

百科事典マイペディアの解説

初倉荘【はつくらのしょう】

駿河国との国境にある遠江国榛原(はいばら)郡の荘園。現静岡県島田市から吉田町・大井川町(現・焼津市)にかけた大井川下流左岸にあった。初め皇室領。1299年亀山上皇から京都南禅寺に寄進され,以後戦国時代まで南禅寺領。14世紀後半ころまでに輪中(わじゅう)型の塩堤の築調などによって開発が進展し,新村落も形成されたが,南禅寺の荘経営は守護被官による代官請のため不安定であった。15世紀後半以降は駿河守護今川氏の侵入が繰り返され,年貢減免闘争も活発化し,遠江守護斯波(しば)氏の没落とともに南禅寺の支配は及ばなくなった。

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世界大百科事典 第2版の解説

はつくらのしょう【初倉荘】

平安末期に成立した遠江国榛原(はいばら)郡の荘園。美福門院得子を本家として成立した皇室領荘園で,その年貢の一部が宝荘厳院と高野山の大伝法院に進納された。美福門院が亡くなると,娘の八条院子に伝領され,大覚寺統の最重要所領たる八条院領の一つとなった。1299年(正安1)亀山上皇によって南禅寺に寄進され,以後南禅寺領として戦国時代に至る。南禅寺の初倉荘支配は主として守護被官による代官請であり,国人領主層の蚕食が繰り返されて,その支配は不安定であった。

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