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北海道北部,日本海上に浮かぶ島。1島1町で宗谷支庁礼文町をなす。人口3078(2010)。幅約8kmの礼文水道を隔てて利尻島の北西に位置する。東西約6km,南北約21kmの細長い島で,面積は82km2。島は全体的になだらかな白亜系や第三紀の丘陵からなり,周縁に高度120m以下の3~4段の海岸段丘が発達している。最高峰は,島のほぼ中央部にある礼文岳(490m)で,この山を中心にして西海岸一帯にかけては,レブンソウ,レブンアツモリなど200種以上の高山植物が群生している。海岸は柱状節理のよく発達した海食崖でスコトン岬,稲穂ノ崎,アナマ岩,地蔵岩,桃岩などの景勝地がある。古くはアイヌが居住し,松前藩と交易を行っていた。1819年(文政2)以降漁場の開発がすすめられ,ニシン漁,コンブ漁が盛んになり,島の各所に本州からの移民による漁業集落が形成された。島民の半数以上が漁業に従事し,沿岸漁業を主体に,ホッケ,カレイ,ウニ,イカ,コンブの漁獲量が多い。利尻礼文サロベツ国立公園の一部で,海岸部の地形,高山植物の群落が見物となっており,1965年以降観光客が急増している。70年に稚内(わつかない)と利尻島,礼文島を結ぶ航路に1000トン級のフェリーが就航し,島では宿泊施設の整備をすすめた。中心集落は南東部の香深(かふか)で,役場,港湾などがある。また,島の北側の金田ノ岬とスコトン岬に抱かれた船泊(ふなどまり)湾に面する船泊にも港湾と礼文空港があり,稚内との間に小型機が運航されている(2003年稚内便廃止)。
執筆者:奥平 忠志
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北海道北部、日本海上に浮かぶ島。宗谷(そうや)総合振興局管内の礼文町に属し、付属島に海驢島(とどじま)などがある。北海道本島の西方約50キロメートルに位置し、幅約10キロメートルの礼文水道を隔てて南東の利尻島(りしりとう)と相対している。利尻島よりも沖合いに位置するためアイヌ語でレプンシリ(沖の島)とよばれた。東西6キロメートル、南北21キロメートル、面積81.33平方キロメートル。中生層、第三紀層などからなり、中央部の礼文岳(490メートル)を最高点に標高200~300メートルの丘陵が連なる。西海岸は海食崖(がい)が続き、北部、南部には120メートル以下の3段ないし4段の海岸段丘が発達している。利尻礼文サロベツ国立公園の一部で、香深(かぶか)西方の桃岩周辺は高山植物の宝庫で道の天然記念物に指定され、西海岸の宝石海岸、地蔵岩、絶壁の続く西上泊(にしうえどまり)海岸、北端部のスコトン岬など景勝地が多い。スコトン岬北方の海驢島には番屋があり、ウニ・コンブの漁期だけ漁民が移住する。2009年の住民登録人口3111、2010年国勢調査人口3078。
[岡本次郎]
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