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加地子 かじし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

加地子
かじし

加得ともいう。荘園領主に納入する年貢のほかに,名主荘園農民から徴収した得分。鎌倉時代中期以降,荘園における名田経営のあり方がくずれ,名主は経営耕作から遊離し,その田畑を下人,所従ら直接耕作者に貸与し,得分を徴収するようになった。この得分は,領主の収取する年貢とは別という意味で加地子といわれた。

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百科事典マイペディアの解説

加地子【かじし】

平安時代以降,田地請作者(作人(さくにん))が負担した地代(じだい)。加得(かとく)ともいう。国衙(こくが)領・荘園において,領主に対して負担する本来の地子以外に,地主的存在である私領主,名主などに対しても支払わなければならない地代(加徴分)。畿内・近国では平安時代末期に1反当り1斗程度であったが,室町時代には5,6斗となり,本年貢より高くなっている。近世には小作料の意で用いらることもあった。
→関連項目均田制度所領

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世界大百科事典 第2版の解説

かじし【加地子】

国衙領や荘園の田地を請作する作人が,国衙や荘園領主に弁済する本来の地子(所当)のほかに,請作地の地主的存在である私領主,名主(みようしゆ)などから課される加徴分。1066年(治暦2)3月11日の元興寺大僧都房政所下文案に,同政所が伊賀国名張郡簗瀬郷内の田代・荒野一所を開発させるため,これを丈部為延にあてがい,〈作手(さくて)〉(作人としての請作権)の子孫相伝を認めて,開発当初3ヵ年の免除期間を過ぎて以後は,〈官物においては国庫に弁済すべし。

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大辞林 第三版の解説

かじし【加地子】

中世、名主が土地を貸し与えて耕作させた作人から徴収する地代。小作料。国衙こくがや荘園領主が徴収する本地子(本年貢)に対していう。加得。片子かたこ
江戸時代、小作米の異名。加地子米。

かちし【加地子】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

加地子
かじし

日本中世の収取物の一つ。地代の一形態。平安時代以降、国衙(こくが)の正税(しょうぜい)・官物(かんもつ)・雑役や荘園領主の年貢・公事(くじ)とは別に、その土地に関して下級の権利をもつ者が農民からとった段当り1斗程度の定額の貢租が一般に加地子とよばれた。畿内(きない)などの先進地域では鎌倉時代末期以降、加地子収取関係は広く発達し、その額も段当り6斗程度が一般化した。そのため、強力な権力を背景にした戦国大名や豊臣(とよとみ)政権の検地政策によって加地子が年貢体系に強制的に吸収されるまで、在地社会では加地子をめぐる激しい対立が続いた。なお、中世後期の加地子取得権の歴史的系譜については、百姓名(ひゃくしょうみょう)の名主職(みょうしゅしき)が転化したとする説と、平安時代に成立した下級土地所有権である作手(さくて)から発達したものとする説がある。[山田 渉]

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世界大百科事典内の加地子の言及

【内得】より

…〈内之得分〉の略称。室町・戦国期の近江,越前,美濃など畿内周辺諸国の田畠売券や寄進状などにしばしば現れる用語で,〈名(みよう)之内得〉〈名内得分〉などと表現され,多くの場合名主(みようしゆ)の私的得分である加地子(かじし)分を指し,売買などで移動した。越前西福寺文書の1515年(永正12)2月9日付春庾田地売券は,平内名(みよう)所属の田地2反を売却したものであるが,それには名の内得分を売るのであるから,本役などは自分(名主)の方で負担するので,この田地には万雑公事(まんぞうくじ)は一切かからない旨記されている。…

【片子】より

加地子(かじし)の別称。1295年(永仁3)12月16日,経実なるものが紀伊国那賀郡名手荘内の田地1反を売却した際の売券に,買得者尭信房に対して毎年6斗の〈加地子〉を懈怠(けたい)なく運上することを述べたうえ,〈もし片子といい下地といい違い目あるときは本直(ほんじき)(売却値段)を弁ずべし〉と記す(高野山文書)。…

【加徴米】より

…このような加徴米は鎌倉時代の地頭にもうけつがれ,大田荘地頭三善氏ははじめ反別5升,1192年(建久3)以降は反別3升の加徴米を徴収した。肥前国佐嘉御領の小地頭が給田のほかに取得した定得田町別5斗の加地子(かじし)や,肥後国人吉荘地頭相良氏の起請田反別3升の加地子米などは加徴米と同様のものであった。神護寺領播磨国福井荘でも地頭加徴があって,内検によって検出された得田数に応じて賦課されていた。…

※「加地子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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