加薬(読み)カヤク

デジタル大辞泉 「加薬」の意味・読み・例文・類語

か‐やく【加薬】

漢方で、主薬薬効を増すため、または飲みよくするために、少量の補助薬を加えること。また、その薬。
食物に添える香辛料サンショウショウガネギなど。やくみ。
主に関西で、五目飯うどんなどに入れる肉・野菜たね
[類語]材料たね浮き実薬味

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「加薬」の意味・読み・例文・類語

か‐やく【加薬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漢方薬で、主要薬の効果を増すため、あるいは飲みよくするために、少量の補助薬を加えること。また、その薬。
    1. [初出の実例]「ぢんひ・かんざう・色々のかやくを」(出典:虎明本狂言・人馬(室町末‐近世初))
  3. 料理の香辛料。薬味。さんしょう、ごま、しょうが、からし、ねぎなどの類。
    1. [初出の実例]「加薬 加味」(出典:運歩色葉集(1548))
  4. 主として関西で、めん類、茶碗蒸(ちゃわんむし)、飯などに加え、またはまぜる諸種の具(ぐ)をいう。たね。肉や野菜などの類。
    1. [初出の実例]「加益(カヤク)に遣ふ物、鯛 かれにてもよし、赤貝、あはび、玉子 うすやき、木くらげ、小しそ、まつな、其余しいたけなど遣ふもよし」(出典素人庖丁‐初(1803))
  5. ( 「加役」とも ) あえ物の材料。
  6. 話の本筋には直接かかわりのない諸種の話題。

加薬の語誌

の「運歩色葉」の例からわかるように中世頃には、文字通り薬を加える意から、付け合わせ、薬味の意としても用いられるようになったものと思われる。に関して、米と、増量のために加えた混ぜ物をともに味つけして炊いたもの、すなわち、一般に関東で「五目飯」と呼ばれるものを、関西では「加薬飯」という。


くわえ‐ぐすりくはへ‥【加薬】

  1. 〘 名詞 〙 食べ物香料として添えるもの。薬味。かやく

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「加薬」の解説

かやく【加薬】

炊き込みご飯やうどんなどに入れる肉や野菜などの具。
②薬味。⇒薬味
③和え物の、和え衣で和えられる材料。
鍋料理などで、肉・魚などの主たる材料に取り合わせる野菜・豆腐など。◆主に関西でいう。もとは、漢方で主薬に補助の薬を少量加えることをいう。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の加薬の言及

【薬味】より

…日本料理に用いる香味料。加薬(かやく)ともいう。できあがった料理に加えて風味を増し,食欲を進めるために用いる。…

※「加薬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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