加速度を電気的または機械的に測定する器械。直線加速度を測定するものと、角加速度を測定するものがある。運動の第二法則によって、加速度の大きさは物体に働く力に比例するので、加速度計は乗り物や機械の可動部分に働く力を測定する目的で使われる。たとえば、地震用計測器のなかには加速度計を利用して地震で発生した力の大きさを測定するものがある。さらに加速度の時間的な変化を記録することによって、時間に対する速度の変化や走行距離を知ることができるので、航空機の位置などを知るうえで役にたつ計器である。加速度計には種々の形式のものがあるが、その主要部は、枠の中に一定の質量のおもりをばねなどで取り付け、加速度がかかったときのおもりの動きや、ばねのひずみなどを機械的あるいは電気的方法で検出するようになっている。たとえば、ひずみゲージ加速度計では、ひずみを受けたときに電気抵抗が変化するような線(ひずみゲージという)をばねのかわりに使用しておもりを支え、加速度が加えられると、ひずみゲージから電気的出力が得られるようになっている。
1個のおもりのついた加速度計では、あらかじめ定められた方向の加速度しか測定できないが、3個のおもりを使って、それぞれ直角な三つの方向の加速度を測定する3軸加速度計もある。
[石川光男]
加速度の大きさを示す計器で,車両,航空機,地震などの加速度測定に使われる。運動体に取り付けた振子は,加速度の影響で振れる。この振子の周期が十分短いと,その振れは運動体の加速度に比例する。この原理を利用し,ばね-質量系とそれの変位に対応する出力が得られるように構成されたものが加速度計である。図aは,圧電素子を曲げ形のばね要素としたものの一例で,加速度によるばねのたわみに対応した電圧が得られる。また図bは,質量Mの下側に圧電素子を配置し圧縮形としたもので,この場合には圧電素子の固有振動数は非常に高いので,質量Mと運動体の相対変位は加速度に比例し,この変位に比例した電荷を発生する。一方,サーボ形加速度計は,図cに示すように,ばね-質量系からなる可動部に取り付けた変位検出部の出力で駆動コイルを働かせ,可動部を元の位置に戻すための復元力を与える構造のものである。前2者の場合は,加速度による変位に対応する出力を求めているが,サーボ形では可動部に与えられた力とつり合う復元力に対応する出力を求めている。
執筆者:樋田 並照
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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