日本大百科全書(ニッポニカ) 「北潟湖」の意味・わかりやすい解説
北潟湖
きたがたこ
福井県北部のあわら市にある、加越(かえつ)台地中の開析谷に形成された細長い湖。長さ約7キロメートル、面積約2.0平方キロメートル、最大深度2.7メートル。自然の水路で大聖寺(だいしょうじ)川を通じて海に結ばれている。湖は富栄養湖でコイ、フナ、ワカサギ、ウナギなどの淡水魚が多く、四季を通じて釣り客も多い。かつては三国(みくに)―大聖寺間の水運に利用され、また後述する吉崎御坊(よしざきごぼう)参りの客を運んだりしたが、いまは水運はとだえている。湖水は昭和40年代以降、畑地灌漑(かんがい)用水として揚水され、米作、メロン、タバコ、野菜作りに大きな役割を果たしている。北岸には1471年(文明3)蓮如(れんにょ)の開いた吉崎御坊のある門前町の吉崎があり、蓮如忌には訪ねる人も多い。東岸には市営の北潟湖畔花菖蒲(しょうぶ)園もある。
[木下昭三]