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北海道北東部,北見山地南部の東側中央に位置する盆地。石狩山地に源を発して北東方向に流れ,北見市で合流して北流する常呂(ところ)川と無加川が形成した浸食盆地である。盆地底には3~4段の河岸段丘があり,地味の肥えたすぐれた農業地域となっている。この地域の農業形態は〈北見農業〉とも呼ばれるが,稲作の限界地であり,畑作農業としてはテンサイ,ハッカなどの工芸作物と麦類,豆類など北海道でつくられるあらゆる作物が多角的に作付けされている点に特徴がある。近年はタマネギ栽培が,北海道以外では秋まき春どりであるのに対し,北海道では春まき秋どりで秋以降に出荷できるという市場環境に恵まれたうえ,稲作転換も加わって盛んになり,北海道最大の産地に発展した。この地域の農家の経営規模は十勝などの畑作地帯に比べて小さく,1戸当りの耕地は約8haである。やや内陸性の気候は,夏の温度(最暖月の月平均気温20℃)の上昇が農作物の生育に好影響を及ぼす反面,冬は寒さが厳しく(最寒月の月平均気温-9℃),盆地底にある置戸(おけと)町は道内でも酷寒地として知られる。盆地の中心北見市中央部は,農産物集散地,交通中心地として発展している。また盆地内には訓子府(くんねつぷ),置戸の2町がある。留辺蘂(るべしべ)は北見山地,石狩山地に近く,木材加工工業が盛んな町としても知られる。大雪山・阿寒両国立公園に近い。
執筆者:奥平 忠志
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北海道北東部、網走(あばしり)地方にある盆地。石狩(いしかり)山地を発してオホーツク海に流入する常呂川(ところがわ)とその支流無加川(むかがわ)の合流点付近に広がり、中央に北見市街が位置する。常呂川と無加川の流域に広く分布する低位の段丘面と、なだらかな台地をなして常呂川両岸に分布する中位の段丘面は、地味が豊かで、夏季の高温にも恵まれて、良好な農業用地となっている。1920年代に水田化が進み、現在はタマネギ、水稲の作付けが多い。
[岡本次郎]
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