北見盆地(読み)キタミボンチ

デジタル大辞泉 「北見盆地」の意味・読み・例文・類語

きたみ‐ぼんち【北見盆地】

北海道北東部、北見市中心にした盆地。農業地帯で、タマネギ産地

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日本歴史地名大系 「北見盆地」の解説

北見盆地
きたみぼんち

網走支庁管内のほぼ中央部、北見市を中心にして北東は常呂ところ端野たんの町、西は同郡訓子府くんねつぷ町にまで広がる盆地。盆地内を北東流する常呂川無加むか川が西から合流し、両河川に沿って谷底平野河岸段丘発達している。北見市の市街地は両河川の合流点付近の常呂川左岸にある。盆地内では旧石器時代からアイヌ文化期にかけての遺跡が確認されている。とくに訓子府川と常呂川に挟まれた北見市広郷ひろさと地区からは旧石器時代の石器類が多数出土している。「戊午日誌」(登古呂誌)には「ヘテウコヒ 此処二股に成る也。此ヘテウコヒといへるは二股のことを云べし。

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改訂新版 世界大百科事典 「北見盆地」の意味・わかりやすい解説

北見盆地 (きたみぼんち)

北海道北東部,北見山地南部の東側中央に位置する盆地。石狩山地に源を発して北東方向に流れ,北見市で合流して北流する常呂(ところ)川と無加川が形成した浸食盆地である。盆地底には3~4段の河岸段丘があり,地味の肥えたすぐれた農業地域となっている。この地域の農業形態は〈北見農業〉とも呼ばれるが,稲作の限界地であり,畑作農業としてはテンサイ,ハッカなどの工芸作物と麦類,豆類など北海道でつくられるあらゆる作物が多角的に作付けされている点に特徴がある。近年はタマネギ栽培が,北海道以外では秋まき春どりであるのに対し,北海道では春まき秋どりで秋以降に出荷できるという市場環境に恵まれたうえ,稲作転換も加わって盛んになり,北海道最大の産地に発展した。この地域の農家の経営規模は十勝などの畑作地帯に比べて小さく,1戸当りの耕地は約8haである。やや内陸性の気候は,夏の温度(最暖月の月平均気温20℃)の上昇が農作物生育に好影響を及ぼす反面,冬は寒さが厳しく(最寒月の月平均気温-9℃),盆地底にある置戸(おけと)町は道内でも酷寒地として知られる。盆地の中心北見市中央部は,農産物集散地,交通中心地として発展している。また盆地内には訓子府(くんねつぷ),置戸の2町がある。留辺蘂(るべしべ)は北見山地,石狩山地に近く,木材加工工業が盛んな町としても知られる。大雪山・阿寒両国立公園に近い。
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百科事典マイペディア 「北見盆地」の意味・わかりやすい解説

北見盆地【きたみぼんち】

北海道北東部,常呂(ところ)川中流の小盆地。幅約4km,長さ約18kmで河岸段丘が発達,地味はよく水田耕作が行われる。酪農,タマネギ栽培が盛ん。特産のハッカ栽培は衰えた。1897年−1898年屯田兵が入植。中心に北見市街がある。
→関連項目訓子府[町]端野[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北見盆地」の意味・わかりやすい解説

北見盆地
きたみぼんち

北海道北東部,常呂川の中流域,北見市を中心に訓子府町にまたがる幅約 4km,長さ約 18kmの盆地。常呂川は北見市で無加川と合流し,河川沿いに河岸段丘が発達。気候は内陸性で,年較差は 26℃に達する。水利と土壌に恵まれ,米作と畑作,酪農が盛ん。特にジャガイモ,テンサイ,インゲンマメ,アズキ,タマネギなどの畑作物の主産地として知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北見盆地」の意味・わかりやすい解説

北見盆地
きたみぼんち

北海道北東部、網走(あばしり)地方にある盆地。石狩(いしかり)山地を発してオホーツク海に流入する常呂川(ところがわ)とその支流無加川(むかがわ)の合流点付近に広がり、中央に北見市街が位置する。常呂川と無加川の流域に広く分布する低位の段丘面と、なだらかな台地をなして常呂川両岸に分布する中位の段丘面は、地味が豊かで、夏季の高温にも恵まれて、良好な農業用地となっている。1920年代に水田化が進み、現在はタマネギ、水稲の作付けが多い。

[岡本次郎]

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世界大百科事典(旧版)内の北見盆地の言及

【常呂川】より

…北見・網走地方最大の河川である。中流の肥沃な沖積地の北見盆地は日本最東端の米作地帯である。河川の水は北見地方の上水道として,また食料品工業の用水として利用される。…

※「北見盆地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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