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赤黄色土 せきおうしょくど red‐yellow soil

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世界大百科事典 第2版の解説

せきおうしょくど【赤黄色土 red‐yellow soil】

西南日本の低山・丘陵・洪積台地上に広く分布している赤色または黄色の下層土をもつ土壌の分類学的名称で,菅野一郎によって命名(1961)された。下層土の色調のちがいによって赤色土群と黄色土群に細分され,両者の相違は局部的な内部排水の良否や母岩に含まれる含鉄鉱物の量質の差にもとづくものとされた。しかし下層土の色調の相違以外には下記のようなきわめて類似した理化学的性質をもち,しかも赤色土群と黄色土群は地理的に隣接して分布するので,赤黄色土という土壌型として一括された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

赤黄色土
せきおうしょくど
red-yellow soil

温暖で、雨の多い湿潤亜熱帯気候下に発達する成帯性土壌気候的土壌帯)で、日本の代表的な土壌の一つである。この土壌には堆積(たいせき)腐植層はほとんどなく、A層は若干の腐植を含む薄い層である。その下のB層はこの土壌を識別するうえでいちばん重要な層で数十センチメートルの厚さをもち、色は遊離酸化鉄により、レンガ色、オレンジ色、黄色の暖色系統で鮮明であるのがこの土壌の特徴である。
 対応する植生は温帯ないし亜熱帯性の森林で、高緯度側に隣接する褐色森林土または黄褐色森林土とともに、ポドゾル化作用もラテライト化作用もほとんど働いていない。
 日本ではこのB層の色で細分され、赤みの強い土壌を赤色土、黄みの強い土壌を黄色土とよぶ。色以外の性質は大変よく似ており、両者は近接して分布していることが多いので、一括して赤黄色土とよばれる。鉄分の多い母岩からは赤色土、少ない母岩からは黄色土が分布し、また、同一地形面では排水の良い所には赤色土、悪い所には黄色土が多い。また、古い地形面上には赤色土、新しい地形面上には黄色土が分布する。
 日本の赤黄色土は愛知県下の東海地方と近畿以西の台地・丘陵・段丘上に連続的分布しており、断片的には九州、北陸、東北、北海道の一部にもみられるが、奄美(あまみ)大島以南の赤黄色土のみが現世の気候で生成したものであり、それ以外の赤黄色土はすべて最終氷期前の間氷期(更新世温暖期)に生成した古土壌の残存物であると断定された。
 赤黄色土は風化作用と塩基溶脱作用を強く受けており、腐植含量は低く、塩基や養分は流亡しており、土壌は酸性を呈し、物理性が悪くやせている。しかし多くは平坦(へいたん)な段丘面上に存在し、酸性の矯正、有機物、塩基の補給などの土壌改良と、適切な施肥を行えば植生はかなり改善するので、水田、普通畑、樹園地としてよく利用されており、日本の地目別耕地面積のそれぞれ約5%、7%、24%を占めている。[小山雄生]
『山根一郎他著『図説 日本の土壌』(1978・朝倉書店) ▽農林水産省農蚕園芸局農産課・日本土壌肥料学会監修、土壌保全調査事業全国協議会編『日本の耕地土壌の実態と対策』新訂版(1991・博友社) ▽久馬一剛・佐久間敏雄・庄子貞雄・鈴木皓・服部勉・三土正則・和田光史編『土壌の事典』(1993・朝倉書店)』

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世界大百科事典内の赤黄色土の言及

【赤土】より

…黒土が浸食その他の原因で発達せず,表面から赤土が出ることもあり,千葉県北部から茨城県南部にかけての常総台地はこの種の赤土地帯である。また西南日本から南西諸島にかけて分布する広い赤黄色土を指して赤土ということもある。この土の多くは更新世間氷期の亜熱帯性気候の下で発達したもので,関東以西の洪積台地および丘陵地に主として分布する。…

【土壌型】より

…(4)暖(温)帯の土壌型 暖(温)帯に分布する主要な成帯性土壌型は,暖帯照葉樹林気候下の黄褐色森林土,地中海性気候帯の硬葉樹林下の地中海赤褐色土,半乾燥地中海性気候帯の乾性低木林下の肉桂(につけい)色土などである。 黄褐色森林土は,湿潤冷温帯の褐色森林土と湿潤亜熱帯の赤黄色土との中間に位置し,日本の西南部,中国の長江(揚子江)沿岸から南部,黒海沿岸などのシイやカシを主とする照葉樹林帯に分布している。断面形態は褐色森林土に類似しているが,有機物含量は褐色森林土より少なく,結晶化の進んだ遊離酸化鉄が多いため,下層は明るい黄褐色を呈する。…

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