改訂新版 世界大百科事典 「古画備考」の意味・わかりやすい解説
古画備考 (こがびこう)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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日本の古代から江戸時代末期にわたる絵画の作者に関する資料を集めた書物。著者朝岡興禎(おきさだ)(1800―56)は狩野栄信(かのうながのぶ)の次男で、幼時から父に画を学び、長じて人から鑑定を頼まれるとかならずその画を臨模し、落款(らっかん)印章を写し、余白に作者の系流略伝を付記することを常としたが、本書は後年それをもとに編集したもの。全編を帝室、廷臣、武家、釈門、松花堂流、詩人、和歌、連俳、茶、香、名画、浮世絵、巨勢(こせ)、宅磨(たくま)、住吉(すみよし)、土佐家、光悦流、狩野、英(はなぶさ)流、宮殿筆者、倭絵(やまとえ)などに分かち、長崎画人伝、朝鮮書画伝を付録に加えた。その自筆の稿本は東京芸術大学に伝わっているが、1904年(明治37)に帝室博物館絵事担任の太田謹が増訂して吉川弘文(こうぶん)館から刊行した四冊本が流布し、古画の鑑識、研究には欠かせない重要な資料である。
[永井信一]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ほかに浮世絵師によるものとして,渓斎英泉の《無名翁随筆(増補浮世絵類考)》(1833)中にある〈大和絵師浮世絵之考〉は,さきの祐信の論旨を継いで,浮世絵師の立場を強く擁護し,粉本主義を批判している。大田南畝の《浮世絵類考》(1789ころ),朝岡興禎(おきさだ)の《古画備考》(1845‐50ころ),堀直格の《扶桑名画伝》(1854ころ)のような網羅的な画家伝も編集された。【辻 惟雄】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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