叩き付ける(読み)タタキツケル

デジタル大辞泉 「叩き付ける」の意味・読み・例文・類語

たたき‐つ・ける【×叩き付ける】

[動カ下一][文]たたきつ・く[カ下二]
激しく打ちつける。「背中からマットに―・ける」「窓に―・ける雨」
激しい勢いで差し出す。「辞表を―・ける」
相手に無理に押しつける。否応なしに従わせる。
老母をたらし、―・け、あんまりななされやう」〈浄・曽根崎
幼児の背中を軽くたたいて寝かしつける。
蚊帳の内へ入り赤児を―・け」〈伎・四谷怪談
[類語]殴る打つ叩くぶつ小突くひっぱたく叩きのめす打ち据えるぶん殴る殴り飛ばす殴りつける張る食らわすはたく噛ますぶち噛ますぶっ叩く張り飛ばす張り倒すぶちのめすぶっ潰す殴打する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「叩き付ける」の意味・読み・例文・類語

たたき‐つ・ける【叩付】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]たたきつ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. たたいて物にぶつける。はげしくなげつける。また、ぶつけるように強くたたく。たたきふせる。転じて、徹底的にやっつける。
    1. [初出の実例]「急にたたき付られ、木の根につまづき」(出典:浮世草子・武道伝来記(1687)三)
    2. 「しゃくにさはって、たたきつけてかへらうと思ったれど」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
  3. 幼児の背中を軽くたたいて寝かしつける。
    1. [初出の実例]「酔ばただ寝たが能い迚敲(タタキ)付〈友露〉」(出典:俳諧・へらず口(不角撰)(1694))
  4. 自分の考えを無理に押しつける。圧迫して従わせる。
    1. [初出の実例]「私合点致さぬを、老母をたらしたたきつけ」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
  5. 激しい勢いで、物などをさし出す。また、激しい調子で相手にものを言う。
    1. [初出の実例]「尤(もっと)も先方(むかふ)では何んでも要(い)らんと申ますのを私が叩き付けて来ました」(出典:落語・性和善(1891)〈三代目春風亭柳枝〉)
  6. 仕事などを手早くかたづける。
    1. [初出の実例]「松過の駕一日(いちにち)にたたきつけ」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和六(1769)礼三)

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