字通「丙」の項目を見る。
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十干と十二支に五行を配当することによって生じる組合せのうちで,丙と午はいずれも〈火〉に属することから,火災が多く起こると信じられた俗信。中国から伝わった知識で,江戸時代に都市住民の意識の中に定着した。《燕石雑志》には,〈丙午の女は必ず男を食へると世に伝へし〉と記されており,丙午の年に生まれた女は亭主を殺すといって忌避されるという迷信に変化している。丙午を迷信として排除する常識も一方には存在するが,なお丙午の年には婚姻を避けたり,丙午の年の生れの女性の縁談を気にする風潮が現代社会にも伝承されている。
日の吉凶を含め,暦注の中でとくに凶にかかわる俗信が民俗知識として発達したが,いずれも都市を中心としている。都市生活の中に生じている災害の原因や,日常生活の不安に対する理由づけを,暦の知識に求めようとする思考によっており,合理的に説明できる根拠はまったくない。
→干支(かんし)
執筆者:宮田 登
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
宿曜(すくよう)雑暦から発展した俗信。十干(じっかん)と十二支を五行(ごぎょう)(木火土金水(もくかどごんすい))に配し、五行を兄(え)と弟(と)に分けて十干を順に当てはめ、十二支を組み合わせると61年目に同じ干支(えと)の年がくる。丙は火の兄、午は正南の火であるところから、この年には火災が多いと信じられ、中国では北宋(ほくそう)時代の末から、丙午(へいご)を凶歳とする説が強まったが、これが日本にも伝わり、江戸時代には下級宗教者の手で村々に広まる間に、丙午の女は夫を食い殺すなどの俗説を生じた。近来、これを信じる者は少なくなったはずであるが、丙午にあたる1906年(明治39)、1966年(昭和41)は、ともに出生届が急減した。後者の場合、厚生省(現厚生労働省)の地域別統計によると、都市の若い母親ほど気にしていたことが明らかで、これはマスコミの影響による。
[井之口章次]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…中国よりも日本で信じられ,この年になると改元が行われた。(2)丙午(ひのえうま) 陰陽五行説によれば丙も午も火になるので,この年生れの女性は気性が激しく,夫の運勢を圧倒しその生命もちぢめるという。(3)庚申(こうしん) 中国の道教によれば,人の体内に三尸(さんし)という悪霊がすんでおり,庚申の日になると天にのぼって主人の過失を司命(生死をつかさどる神)に告げるので,そうさせないためにこの日には徹夜をせねばならないとされた。…
※「丙午」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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