皇室会議(読み)コウシツカイギ

デジタル大辞泉 「皇室会議」の意味・読み・例文・類語

こうしつ‐かいぎ〔クワウシツクワイギ〕【皇室会議】

皇室に関する重要事項審議する機関内閣総理大臣議長とし、皇族二人・衆参両院正副議長宮内庁長官最高裁判所長官および同裁判官一人の計10人で構成し、天皇退位即位皇位継承順位摂政設置立后、皇族男子の婚姻などについて審議する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「皇室会議」の解説

皇室会議

皇室に関する重要事項を議決する機関。首相ら計10人がメンバーで、皇位継承順位の変更や男性皇族の婚姻、天皇の国事行為を代行する摂政の設置などを審議する。今回の会議では、皇族議員秋篠宮さま天皇陛下の退位に伴い、事実上の皇太子である「皇嗣こうし」になり、利害関係者となる恐れがあるため、皇室典範規定により予備議員の常陸宮さまに交代した。これまでに計7回開催され、1993年1月の前回会議では、皇太子さまと雅子さまの婚約を議決した。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「皇室会議」の意味・読み・例文・類語

こうしつ‐かいぎクヮウシツクヮイギ【皇室会議】

  1. 〘 名詞 〙 皇室に関する事項を決定するための機関。皇位継承、摂政の設置など皇室に関する重大事項を審議する時に開かれ、内閣総理大臣を議長とし、皇族の代表、衆参両院議長、最高裁判所長官など一〇人で構成される。旧憲法では皇族会議と称した。〔皇室典範(1947)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「皇室会議」の意味・わかりやすい解説

皇室会議【こうしつかいぎ】

皇位継承の順序の変更,立后(りっこう),皇族男子の婚姻,皇族の身分の離脱摂政の決定など皇室の重要事項を審議する合議機関。内閣総理大臣を議長とし,皇族2人,衆参両院の正副議長,宮内庁長官,最高裁判所長官と同裁判官1人の計10人で構成される。1947年設置。→皇室典範
→関連項目王(皇室)議員皇后皇族最高裁判所長官親王内閣総理大臣

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「皇室会議」の意味・わかりやすい解説

皇室会議 (こうしつかいぎ)

皇室典範(1947公布)に基づいて設けられている,皇室関係事項を審議,議決するための機関。議員10人をもって組織され,皇族2人,衆議院および参議院の議長および副議長,内閣総理大臣,宮内庁長官ならびに最高裁判所長官およびその他の判事1人をもって充てることとされ,内閣総理大臣が議長となり,6人以上をもって定足数とする。審議事項は,(1)皇位継承の順序の変更,(2)摂政をおくべき場合の認定,(3)摂政となる順位の変更,(4)摂政の廃止については2/3以上の多数決によることとされている。また,(5)立后および皇族男子の婚姻に対する同意,(6)皇族がその身分を離れることに対する同意,(7)やむをえない特別の事情があるとき,皇族がその身分を離れることの決定等については過半数により決することとされている。なお,皇室会議は,皇室典範およびその他の法律に基づく権限のみを行うこととされている(37条)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「皇室会議」の意味・わかりやすい解説

皇室会議
こうしつかいぎ

皇室に関する重要事項を審議するために設けられる会議制の国の機関(皇室典範28条以下)。議員は10人で、皇族2人、衆・参両院の正・副議長、内閣総理大臣、宮内庁長官、最高裁判所長官、同判事1人からなる。皇族の議員は成年に達した皇族から選ばれ、最高裁判事の議員は最高裁長官以外の裁判官の互選による。内閣総理大臣が議長となり、定足数は6人。皇室会議に諮られる議題は、皇位継承の順序の変更、立后(天皇の配偶者決定)および皇族男子の婚姻、皇族身分の離脱、摂政(せっしょう)の設置など。

[池田政章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「皇室会議」の解説

皇室会議

皇室会議は、皇室典範に基づき、皇室の重要事項を審議決定する機関である。皇族2人、衆参両院の正副議長、内閣総理大臣、宮内庁長官、最高裁長官、同判事の10人で構成され、内閣総理大臣が議長となる。審議事項は皇位継承順位の変更、立后及び皇族男子の婚姻、皇族の身分の離脱、摂政の設置及び廃止、摂政の順位の変更。皇太子ら男子皇族の結婚は皇室会議の議を経なければならないが、女子皇族は、結婚とともに皇族の身分を離れるので、その必要はないと定められている。このほか、皇室の経理に関する皇室経済会議が皇室経済法に基づき置かれており、皇室費のほか、女子皇族の結婚・皇籍離脱や男子皇族の宮家独立の際の一時金支出などを審議する。議員は衆参両院の正副議長、内閣総理大臣、財務大臣、宮内庁長官、会計検査院長の8人。

(岩井克己 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「皇室会議」の意味・わかりやすい解説

皇室会議
こうしつかいぎ

皇室に関する重要事項を審議,決定することを任務として,皇室典範により設置される合議機関。皇族 2人,衆議院および参議院の正副議長,内閣総理大臣,宮内庁長官,最高裁判所の長官およびその裁判官1人の計 10人の議員により構成され (28条) ,皇位継承の順序変更 (3条) ,立后および皇族男子の婚姻の同意 (10条) ,摂政の設置 (16条) などに関する権能をもつ。内閣総理大臣が皇室会議の議長となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android