向日(読み)ムコウ

デジタル大辞泉 「向日」の意味・読み・例文・類語

むこう〔むかふ〕【向日】

京都府南部の市。丘陵竹の子産地長岡京跡がある。人口5.4万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「向日」の意味・読み・例文・類語

むこうむかふ【向日】

  1. 京都府南部の地名。桓武天皇が長岡京を造営した地で、その遺跡がある。タケノコの産地。京阪の近郊住宅都市として発達。昭和四七年(一九七二市制

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「向日」の意味・わかりやすい解説

向日(市)
むこう

京都府南部、京都盆地西縁に位置する市。京都市、長岡京市と市境を接する。1972年(昭和47)市制施行。東部は桂(かつら)川の氾濫原(はんらんげん)、西部西山(にしやま)山地とその山麓(さんろく)に長岡丘陵の洪積台地南北に延びる。JR東海道本線、阪急電鉄京都線、国道171号が南北に走り、東海道新幹線、名神高速道路も通過する。

 784年(延暦3)桓武(かんむ)天皇は向日、長岡京両市にまたがる地域に長岡京を造営し、平安遷都までの10年間都城とした。近年発掘が進み、鶏冠井(かいで)の地が長岡宮跡として国の史跡に指定され、史跡公園となっている。古くから近郊農業が盛んで長岡丘陵はタケノコの特産地であるが、交通至便のため、京都、大阪のベッドタウンとして市街地化が目覚ましい。また洛南(らくなん)工業地域の一部で、機械、プラスチック製品などの諸工業がみられる。向日神社本殿は国指定重要文化財。面積7.72平方キロメートル、人口5万6859(2020)。

織田武雄

『『向日市史』全3巻(1983~1988・向日市)』


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改訂新版 世界大百科事典 「向日」の意味・わかりやすい解説

向日[市] (むこう)

京都府南部の市。1889年の町村制で生まれた向日町が,1972年に市制。人口5万4328(2010)。面積8.0km2は近畿地方の市のうち最小。東,北,西は京都市に,南は長岡京市に接し,桂川西岸の沖積平野とその西の段丘層,さらに向日丘陵にまたがる。丘陵,段丘上には多くの遺跡や古墳があり,平野部には条里制の遺構が残る。784年(延暦3)南隣の長岡京市域にかけて長岡京が造営されたが,その中心をなす長岡宮は当市域内にあった。中世には物集女(もずめ)荘,寺戸荘,鶏冠井(かいで)荘などの荘園が設置され,室町期には物集女氏,鶏冠井氏などが城を構えている。向日神社の社前,西国街道に面する向日町は,江戸時代には商人や手工業者の集住した在郷町であった。鶏冠井町には,鎌倉末期に日像によって関西初の日蓮宗寺院として開かれたという真経寺(南北2寺がある),本化日蓮宗本山石塔寺がある。なお向日神社は式内社で,中世には周辺郷村の産土神(うぶすながみ)として厚く崇敬された。幕末期の同社神主六人部是香(むとべよしか)は国学者として知られる。丘陵,段丘上ではモウソウチクの栽培が盛んで,たけのこの産が多い。JR東海道本線,阪急京都線が南北に貫き,京都市,大阪市との交通が便利で,1960年前後から急激に住宅地化が進んだ。市域東部にはJRの操車場や電機,機械などの工場がある。
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百科事典マイペディア 「向日」の意味・わかりやすい解説

向日[市]【むこう】

京都府南部の市。1972年市制。京都盆地西部を占め,京都市の南西部に接する。東海道本線,阪急京都線,国道171号線が縦貫し,電機,繊維,食品などの多くの工場があり洛南工業地帯の中核をなす。丘陵地は有名なたけのこの産地。洛西ニュータウンの最寄り駅があって宅地開発が進み,人口密度は府下最大。長岡京市域にかけ桓武天皇によって造営された長岡京跡(史跡)がある。7.72km2。5万4328人(2010)。
→関連項目長岡京[市]

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