吾・我(読み)あ

精選版 日本国語大辞典 「吾・我」の意味・読み・例文・類語

あ【吾・我】

〘代名〙 自称。私。あれ。中古以降は「わ」が使われて衰えた。
古事記(712)上・歌謡「阿(ア)もよ、女(め)にしあれば」
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「我(ア)が財」
[語誌]ア・アレとワ・ワレとの相違については諸説あるが、大別すると二つになる。一つは、ア・アレは古く、ワ・ワレは新しいとする説、一つは、アガとワガとが限定する語に差が認められることから、ア系は私的で親愛の情を含み、個としての(単数的・孤独的)自分を示すのに対し、ワ系は公的で一般的用語であり、同質社会における複数の中の一人としての自分を示すとする説である。

あれ【吾・我】

〘代名〙 自称。私。中古以降は「われ」が用いられるようになって、次第に衰えた。
※古事記(712)中・歌謡「撓(たわ)や腕(がひな)を 枕(ま)かむとは 阿礼(アレ)はすれど」
大鏡(12C前)四「あれは舞はじとて、角髪(びづら)ひきみだり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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