デジタル大辞泉 「角髪」の意味・読み・例文・類語 びん‐ずら〔‐づら〕【角=髪】 《「みずら(角髪)」の音変化》1 「みずら」に同じ。2 髪の毛。「雲の―、花の顔かんばせ」〈謡・楊貴妃〉 つの‐がみ【角髪】 1 「揚巻あげまき」に同じ。2 江戸時代、元服前の少年が結った角前髪すみまえがみ。 び‐ずら〔‐づら〕【角=髪】 「みずら」に同じ。「うつくしげなる童の、―ゆひたるが」〈宇治拾遺・一〇〉 み‐ずら〔‐づら〕【角=髪/角=子/×鬟/×髻】 上代の成人男子の髪の結い方。髪を頭の中央から左右に分け、両耳の辺りで先を輪にして緒で結んだもの。平安時代以後、主として少年の髪形となった。びんずら。びずら。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「角髪」の意味・読み・例文・類語 み‐ずら‥づら【角髪・角子・鬟・髻】 〘 名詞 〙① 上代の成人男子の髪の結い方。髪を頭の中央から左右に分けて下ろし、両耳のあたりで輪のようにし、たばねて緒で結ぶ。髷の位置や下げ方によって、上げみずらと下げみずらとがあった。埴輪(はにわ)の人物像にも見え、「魏志倭人伝」などにも記述がある。大陸で行なわれていた髪形が伝わったものといわれる。総角(あげまき)はその変形。角髪①〈年中行事絵巻〉[初出の実例]「左の御美豆良(ミヅラ)〈三字は音を以ゐよ〈略〉〉に刺せる湯津津間櫛の」(出典:古事記(712)上)② 平安時代以後、主として少年の髪形。びずら。〔十巻本和名抄(934頃)〕[初出の実例]「みつらゆひたまへるつらつきかほのにほひ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺) びん‐ずら‥づら【角髪・鬢】 〘 名詞 〙 ( 「みずら(角髪)」の変化した語 )① 昔、公家の少年の髪の結い方で、左右に分けた髪を輪にしたもの。頭上に束ねて結ったのを「あげびんずら」、左右に垂らして結うのを「さげびんずら」という。みずら。[初出の実例]「うるはしくびんづら結ひ」(出典:浜松中納言物語(11C中)一)② 転じて、髪の毛。また、鬢の毛。[初出の実例]「青ききぬきたる乙女のびんづらあげたる、いで来たりていはく」(出典:俊頼髄脳(1115頃)) つの‐がみ【角髪】 〘 名詞 〙① 上代の幼童の髪の結い方の名。髪を中央から左右に分け、両耳の上で丸く結ったもの。また、その髪に結った子ども。総角(あげまき)。〔字鏡集(1245)〕② 江戸時代、元服前の少年が結った角前髪(すみまえがみ)のこと。[初出の実例]「祭とて鍛冶の小坊主つの髪に出立った体(なり)は鉄唐子哉」(出典:狂歌・狂歌乗合船(1730)) び‐ずら‥づら【角髪】 〘 名詞 〙 ( 「みずら(角髪)」の変化した語 ) 中古、少年の髪の結い方の一つ。髪を真中から左右に分けて耳の辺りで輪形に束ねたもの。びんずら。[初出の実例]「うなゐはびづら結ひて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例