日本歴史地名大系 「周防鋳銭司跡」の解説
周防鋳銭司跡
すおうちゆうせんしあと
周防灘に突き出た
鋳銭司とは、奈良・平安時代の官営の鋳銭所で、「和名抄」に「鋳銭司鋳銭司
、以
直大肆中臣朝臣意美麻呂
為
長官
」、和銅元年(七〇八)二月一一日条に「始置
催鋳銭司
、以
従五位上多治比真人三宅麻呂
任
之」とみえる。持統・武朝には役人の任命のみで、和銅元年から貨幣の鋳造を始めたとみるべきであろう。鋳銭司は近江・河内・山城・長門・周防などに設置されたが、平安時代に入ると長門・周防が主となり、九世紀中期からは、ほとんど周防鋳銭司が唯一のものとなった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報