営業報告書(読み)エイギョウホウコクショ

百科事典マイペディアの解説

営業報告書【えいぎょうほうこくしょ】

毎営業年度の終了後定期的に作成される計算書類の一つで,会社法では事業報告と呼ばれる。取締役会または取締役はこの報告書を作成して監査役に提出し,株主に報告しなければならない。内容として,その営業年度における会社の経営方針,組織,営業経過,経営の経過・成績,株式の状況財産状態親会社子会社その他の企業結合の状況,上位7名以上の大株主・持株数,およびこれら大株主への出資状況,利益金処分案,監査報告などがある。決算報告書ともいい,株主,債権者,その他利害関係集団に対する経営者受託責任を明らかにする報告書。

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株式公開用語辞典の解説

営業報告書

企業が、商法281条の規定により作成しなくてはならない計算書類の一つで、会計帳簿から作成されるものでなく、営業の状況に関する事実を文書により報告するものです。
営業報告書への記載事項(商法計算書類規則45条)
1. 主要な事業内容、営業所及び工場、株式の状況、従業員の状況その他の会社の現況
2. その営業年度における営業の経過及び成果
3. 親会社との関係、重要な子会社市場強その他の重要な企業結合の状況
4. 過去3年間以上の営業成績及び財産の状況並びにこれについての説明
5. 会社が対処すべき課題
6. 監査役の氏名、会社における地位及び担当又は主要な職業
7. 上位7名以上の大株主及びその持株数並びに当該大株主への出資の状況
8. (1).主要な借入先、借入額及び当該借入先が有する会社の株式の数 (2).一定の事由により取得した自己株式につき、その営業年度中に取得したものの種類、数及び取得価額の総額並びにその取得したものが上場株式等でないときにはその売主、その営業年度中に処分又は株式失効の手続をしたものの種類、数及び処分価額の総額並びに決算期において保有するものの種類及び数
9. 決算期後の生じた会社の状況に関する重要な事実

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世界大百科事典 第2版の解説

えいぎょうほうこくしょ【営業報告書】

株式会社(および有限会社)の取締役が作成する,当該営業年度における会社の営業の状況を示す報告書(商法281条1項,有限会社法43条)。貸借対照表,損益計算書などとともに計算書類の一つであり,取締役会による承認,監査役による監査,会計監査人による会計監査を受け(大会社のみ),取締役により株主総会に提出され,その内容が報告される。株式会社の営業報告書に記載されるのは,〈会社の状況に関する重要な事項〉であり,そのうち必ず記載しなければならない事項は,(1)主要な事業内容,営業所および工場,株式の状況,従業員の状況その他の会社の現況,(2)その営業年度における営業の経過および成果(資金調達の状況および設備投資の状況を含む),(3)親会社との関係,重要な子会社の状況その他の重要な企業結合の状況,(4)過去3年間以上の営業成績および財産の状況の推移ならびにこれについての説明,(5)会社が対処すべき課題,(6)その営業年度の取締役および監査役の氏名,会社における地位および担当またはおもな職業,(7)上位7人以上の大株主およびその持株数ならびに当該大株主への出資の状況,(8)主要な借入先,借入額および当該借入先が有する会社の株式の数,(9)決算期後に生じた会社の状況に関する重要な事実,の9項目である。

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大辞林 第三版の解説

えいぎょうほうこくしょ【営業報告書】

一定の営業年度における会社の営業状態に関する重要な事項を記載し、株主に送付する報告書。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

営業報告書
えいぎょうほうこくしょ

企業が毎決算期ごとにその期間中の企業活動全般にわたる経過をわかりやすく報告するとともに、株主などの利害関係者に企業内容の開示を行うことを目的として作成する書類。
 旧商法の第281条1項3号に規定されていた営業報告書をさすが、2006年(平成18)5月に施行された会社法ではより適切な名称として「事業報告」と変わり(会社法435条2項)、事業報告を記載した報告書をさす。旧商法では、取締役は毎決算期に貸借対照表、損益計算書、営業報告書、利益の処分または損失の処理に関する議案の四つの書類およびその附属明細書をつくり取締役会の承認を受けることと定められていた。またこのうち営業報告書については、その内容を定時総会に提出・報告するが総会の承認は必要でないとされていた。しかし1981年(昭和56)に改正された「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」(商法特例法)では、第2条で、資本の額が5億円以上、または負債の合計額が200億円以上の株式会社は、営業報告書の会計に関する部分について、会計監査人の監査を受けなければならないものと定めていた。現在の会社法では、事業報告は計算書類から外れ、監査役(監査役会・監査委員会)の監査のみを受け、会計監査人の監査対象にはならなくなった(会社法436条2項2号)。
 旧商法では、営業報告書の記載内容および形式についての規定はなかったが、条文解釈では、株主や一般の人々が他の計算書類の内容を理解しやすくなるよう、企業の営業状況を要約的に記述する書類と考えられていた。会社法では、事業報告の記載事項は、会社の現況に関する事項および取締役の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制(内部統制システム)についての内容となり(会社法施行規則118条)、会社の現況に関する事項の具体的な取り決めはない。ただし、公開会社(株式の全部または一部に譲渡制限を設けていない会社)については、株式会社の現況に関する事項の内容として、会社の事業内容、営業所および工場ならびに使用人の状況、借入先、事業の経過およびその成果、資金調達、設備投資、事業の譲渡、親会社および子会社の状況、対処すべき課題などが規定されているほか、会社役員に関する事項、株式に関する事項、新株予約権等に関する事項、などを記載することになっている(会社法施行規則119条・120条)。[佐藤宗弥・中村義人]

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