出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
佐賀県の中央部を流れる川。延長57キロメートル、流域面積368平方キロメートルの一級河川。福岡・佐賀県境三瀬(みつせ)峠付近に源を発し、脊振(せふり)山地南斜面の花崗岩(かこうがん)山地を流れるいくつもの支流を集めて南流、川上峡(かわかみきょう)(佐賀市大和(やまと)町地区)を経て佐賀平野中央部を南流し、途中天山(てんざん)南東部に源を発する祇園川(ぎおん)と合流して有明(ありあけ)海に注ぐ。佐賀市街を流れる多布施(たふせ)川の旧分水地点の石井樋(いしいび)付近から上流は川上川ともいう。『肥前国風土記(ひぜんのくにふどき)』には佐嘉川(さかがわ)とある。上流に1957年(昭和32)完成の北山(ほくざん)ダムがある。この北山貯水池の水は、川上頭首工(とうしゅこう)で佐賀市ほか平野部諸市町に配分する。2012年(平成24)新たに嘉瀬川ダムが佐賀市富士町地区に完成。山間部水系には水力発電所が点在し、古湯(ふるゆ)、熊の川の温泉地もある。川上峡付近は川上金立県立自然公園(かわかみきんりゅうけんりつしぜんこうえん)の拠点で、渓谷美と史跡に富み、ホテルなどの諸施設も立地。下流の旧河港嘉瀬津(かせつ)付近は蛇行部の河川改修で旧河道となり、いまは森林公園となっている。河口に干潟が広がる。
[川崎 茂]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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