四民(読み)シミン

デジタル大辞泉 「四民」の意味・読み・例文・類語

し‐みん【四民】

近世封建社会での、士・農・工・商の四つ身分階級。転じて、あらゆる階層人間。→士農工商
「―同等の今日とても地下じげ雲上等差ちがい口惜し」〈露伴風流仏
[類語]国民人民公民市民万民ばんみん臣民同胞国人くにびと国民くにたみたみ民草たみくさ億兆おくちょう蒼生そうせい蒼氓そうぼう赤子

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精選版 日本国語大辞典 「四民」の意味・読み・例文・類語

し‐みん【四民】

  1. 〘 名詞 〙 人を身分、職業により四つに分けて総称したもの。封建時代の士・農・工・商の四階級の称。転じて、あらゆる階層の人々。国民。
    1. [初出の実例]「又四民之徒、各有其業」(出典:続日本紀‐霊亀元年(715)五月辛巳)
    2. 「今此御光一天にかかやきて、恩沢八荒にあふれ、四民安堵の栖(すみか)、穏(おだやか)なり」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)日光)
    3. 「目今御新政の有がたいことにゃア四民(シミン)同一自主自立の権を給はり」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
    4. [その他の文献]〔書経‐周官〕

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普及版 字通 「四民」の読み・字形・画数・意味

【四民】しみん

士・農・工・商。〔漢書、食貨志上〕士農工、四民業り。學びて以て位に居るを士と曰ひ、土を闢(ひら)きを殖するを農と曰ひ、巧を作りすを工と曰ひ、財をを鬻(ひさ)ぐをと曰ふ。王、能を量り事を授く。

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世界大百科事典(旧版)内の四民の言及

【士農工商】より

…江戸時代の社会を構成した主要な身分である武士,百姓,職人,商人を指す言葉。四民ともいう。元来は中国の古典に起源する言葉であるが,近世の国制を中国古代の封建制になぞらえて理解しようとした儒学者などによって使用されたのをきっかけに,江戸時代の国家,社会に関する支配イデオロギー上の重要なキーワードとして広く一般に使用されるようになった。…

※「四民」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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