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固有事務 こゆうじむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

固有事務
こゆうじむ

地方公共団体がその存立の目的から本来行なうべき事務。国などから地方公共団体に委任される委任事務(→団体委任事務)に対する概念であり,具体的には 2000年の改正前地方自治法における公共事務をさす。地方公共団体である都道府県市町村の事務は,性質上,固有事務,委任事務,行政事務の 3種に分けられ,地方公共団体が任務とする住民福祉のために行なう事務(団体の組織自治立法財務事業の経営,施設管理に関する事務など)が固有事務とされていた。2000年地方分権推進一括法の施行(地方自治法の改正)により機関委任事務が廃止され,同時に事務区分が再編された。これにより,公共事務(固有事務),団体委任事務(委任事務),行政事務という区分はなくなり,すべて自治事務に統一された。

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デジタル大辞泉の解説

こゆう‐じむ〔コイウ‐〕【固有事務】

都道府県・市町村などの地方公共団体が、その存立の目的を達成するために行う事務。→委任事務

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世界大百科事典 第2版の解説

こゆうじむ【固有事務】

一般に地方公共団体の仕事のうち自らの権限と責任において処理されるものを指す。天皇主権下にあった戦前期には,国民の権利義務に対する権力的規制は国の専掌する〈行政事務〉とされ,地方公共団体は各種の事業経営や公共施設設置と運営を内容とする非権力的な〈公共事務〉のみを処理するものとされていた。もっとも行政事務は,国がそのすべてを自らの組織,人員財源をもって処理することはできず,知事,市町村長執行委任されていたのである。

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大辞林 第三版の解説

こゆうじむ【固有事務】

地方公共団体が本来行うことになっている事務。住民の福祉を増進させるために行う、各種の事業や施設の設置と管理などのほか、その団体の組織・財務に関する事務も含む。公共事務。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

固有事務
こゆうじむ

2000年(平成12)地方分権改革以前に行われた、都道府県、市町村等の地方公共団体の事務分類の一種。沿革的に、本来国または他の公共団体に属する事務である委任事務に対立する観念としてとらえられたもので、地方公共団体の住民の福祉を積極的に増進し、そのために必要な立法を行い、財務を処理するなどの事務をいい、自治活動の本体をなすものであるが、現在では区別する実益はない。
 具体的内容としては、2000年に改正施行される前の地方自治法第2条2項に規定される公共事務がこれに相当するものとするのが通説で、住民の福祉を増進するために行う各種の事業の経営、施設の設置・管理など本来の公共事務と、その目的達成に必要な団体の組織に関する事務および財務に関する事務が含まれるとされた。2000年の改正地方自治法施行により、地方公共団体の処理する事務は自治事務と法定受託事務に分類されることとなった。[阿部泰隆]
『自治体問題研究所編『地方自治法改正の読みかた』(1999・自治体研究社)』

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