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国際人権規約 こくさいじんけんきやくInternational Covenants on Human Rights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際人権規約
こくさいじんけんきやく
International Covenants on Human Rights

1966年 12月 16日に第 21回国連総会で採択された規約で,(1) 経済的社会的及び文化的権利に関する国際規約,(2) 市民的及び政治的権利に関する国際規約,(3) 市民的及び政治的権利に関する国際規約についての選択議定書の3つをさす。この国際人権規約は,国連経済社会理事会の人権委員会が中心になって 47年以来長期にわたって審議した成果である。 48年採択の世界人権宣言は,条約ではなく,人権に関し諸国家が達成すべき共通の基準を示したにすぎなかったが,この人権規約は人権の確保を国際的に法制化しようとするもので,これによって民族自決権や個人的人権が国際的に保障されるよう定められた。 (1) の規約は 76年1月3日,(2) と (3) は 76年3月 23日,それぞれ発効した。

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知恵蔵の解説

国際人権規約

第21回国連総会が1966年12月16日に採択した「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約、社会権規約と略される)」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約、自由権規約と略される)」、「B規約の選択議定書」の総称。国連人権委員会は世界人権宣言を作成したが、法的拘束力を持たなかった。従って条約の性格を持つ人権規約の作成を進め、A・B両規約に分け、共通第1条に人民の自決権規定を置くなど、開発途上国の意向もくんだ案を作成し、経済社会理事会(ECOSOC)を経て第10回総会に提出、10年余の審議の後に採択された。A規約は加盟国に権利保障を義務付け、漸進的にその実現を求める規定方式を採った。それに対しB規約は、個人に直接権利を認める規定方式を採り、加盟国に条約実施状況の報告を求めるほか、同規約の人権委員会(Human Rights Committee、人権専門委員会、規約人権委員会とも訳される)の審議権を受諾した国については条約違反があった場合に他の加盟国の通報、議定書加盟国については国内救済が得られぬ場合に被害者個人からの通報により、同委員会が事案を審議する道を開いた。A規約は76年1月3日、B規約と議定書は同年3月23日に発効した。日本は79年6月21日、A・B規約の批准書を寄託し、9月21日に加盟国となったが、議定書については未批准であり、A規約中、公休日の給与支払い、スト権、高等教育の無償化の3点を留保し、消防職員を警察職員に含める旨の解釈宣言を行った。89年、死刑廃止を目指す第2選択議定書が採択され、91年、発効した。

(宮崎繁樹 明治大学名誉教授 / 2008年)

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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐じんけんきやく【国際人権規約】

基本的人権を国際的に保護するための条約。1966年の国連総会で採択。世界人権宣言を補強するもので、締結国に対して法的拘束力をもつ。社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)、自由権規約(市民的、政治的権利に関する国際規約)、および自由権規約に関する二つの選択議定書からなる。
[補説]社会権規約を国際人権A規約、自由権規約を国際人権B規約とも呼ぶ。B規約の第1選択議定書は人権侵害について個人が自由権規約委員会に直接救済を申し立てることができる個人通報制度について、第2選択議定書は死刑制度廃止について規定したもの。日本や米国などは自国の司法権の独立に影響が及ぶ可能性があるなどの理由から、これらの選択議定書には批准していない。

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百科事典マイペディアの解説

国際人権規約【こくさいじんけんきやく】

国際的に人権の保障を定めた条約。1966年国連総会で採択,1976年発効。労働権,社会保障権,家庭の尊重や子どもの保護,医療保障,教育権などに関する社会権規約と,生命の尊重,死刑の制限,拷問の禁止,公正な裁判の保障,身体の自由,思想・表現・集会の自由などに関する自由権規約,および後者に付属する選択議定書の3者より成る。
→関連項目基本的人権児童の権利に関する条約民族自決

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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいじんけんきやく【国際人権規約 International Covenants on Human Rights】

〈経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約〉(社会権規約またはA規約とよばれる。1976年1月3日発効),〈市民的及び政治的権利に関する国際規約〉(自由権規約またはB規約。1976年3月23日発効)ならびに自由権規約についての選択議定書(1976年3月23日発効)の三つの条約の総称。1966年12月16日国際連合第21回総会において,両規約は全会一致で,自由権規約についての選択議定書は,ソ連・東欧諸国が反対から棄権にまわり,賛成66,反対2,棄権38で,採択された。

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大辞林 第三版の解説

こくさいじんけんきやく【国際人権規約】

1966年国連総会で採択された基本的人権の保護に関する条約。社会権についての A 規約(正称、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)、自由権についての B 規約(正称、市民的及び政治的権利に関する国際規約)がある。1976年発効。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際人権規約
こくさいじんけんきやく
International Covenants on Human Rights

1966年12月16日、第21回国連総会で採択された人権の国際的保護を定めた国際条約。A―経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約(International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights)、B―市民的および政治的権利に関する国際規約(International Covenant on Civil and Political Rights)、および、B規約に付属する二つの選択議定書(Optional Protocol)の四つからなる。A規約は1976年1月3日に発効し、締約国は2010年3月31日時点で160か国(署名国69か国)、B規約と第一選択議定書は1976年3月23日に発効し、2010年3月31日時点で、規約の締約国は165か国(署名国72か国)。第一選択議定書には2010年3月31日時点で113か国が加盟している。北朝鮮は1997年8月27日、国連人権委員会差別防止小委員会が同国の人権状況を非難する決議を採択したことに抗議、B規約からの脱退を通告した。日本はAB両規約だけ批准し、1979年(昭和54)9月21日から締約国になった。両規約は、共通内容を定めた第1部、第2部と、それぞれの実体的権利内容を定めた第3部、および人権保障の実施措置を定めた第4部(B規約では第4部、第5部)、ならびに署名・批准などの手続を定めた諸条項からなる。
 第1部は人民の自決権(第1条)、第2部は規約締約国による人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見、民族的社会的出身、財産、門地などによる差別のない人権保障義務を定めている(第2条~第5条)。A規約の第3部は、いわゆる生存権ないし社会権的基本権を定め、締約国がその国内事情などに応じて漸進的にそれらの諸権利の実現を図るべきことを、B規約の第3部は、いわゆる自由権的基本権と政治に参加する権利を定め、締約国が当然かつ即時にそれらの諸権利を保障すべきことを規定している。第4部以下の実施措置については、A規約では、締約国から国連に対して同規約の実施状況を報告させることに重点を置いている。これに対して、B規約では、締約国に同規約の実施状況を報告させるほか、人権委員会の審査権限を認める宣言(第41条)をした国については、他国からの申立てにより人権侵害国の規約違反を審査しうるものとし、また、議定書批准国については、被害を受けた個人からの救済申立てを委員会が受理して事件を審査しうる旨を定めているが、日本は、第41条の宣言も議定書の批准もしていない。また、1989年12月15日には死刑廃止を目ざすB規約の第二選択議定書が採択され、1991年7月11日に発効、2010年3月31日時点では72か国がこの議定書の条項に拘束されることに同意している。日本はこれも未批准である。なお、A規約の選択議定書も2008年12月10日に国連総会で採択されたが、未発効である。[宮崎繁樹]

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世界大百科事典内の国際人権規約の言及

【外国人】より

…国際法上は,外国人の地位は,各国が外交・内政の方針等から自由に決定しうるのが原則とされてきた。しかし,今日では,国際人権規約などによって,国際法上の制約が大きくなったことが注目される。その結果,これまで,私権の享有についていわれていた内国民待遇ないし内外人平等主義が,公権(基本的人権)についても適用されるようになった。…

【学習権】より

…日本では,下中弥三郎が1920年に《教育再造》ではじめて学習権の主張をし,彼が中心となって結成された日本教員組合啓明会(1920)の綱領に取り入れられた。今日では,世界人権宣言(1948),児童の権利宣言(1959),国際人権規約(1966。いずれも国連総会で採択)においても確認されている人間の権利である。…

【基本的人権】より

…世界人権宣言の趣旨に基づき,国際民間団体としてアムネスティ・インターナショナルが結成され(1961),政治犯の釈放や囚人の人権擁護のために活動している。 世界人権宣言はすべての国が達成すべき共通の基準として布告されたのであって法的な拘束力を有しないが,これに補正を加え条約化したのが,66年12月16日の第21回総会で採択された国際人権規約である。これは〈経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約〉(A規約)と〈市民的及び政治的権利に関する国際規約〉(B規約)からなる。…

【出生】より

…すなわち,生まれた子がただちに人間らしい取扱いを受けることを具体的に保障すること,したがってまた胎児と母体の保護を十分に保障することである。2度にわたる世界戦争の悲惨な結果は,国際連盟の児童の権利宣言(1924),国際連合の世界人権宣言(1948),国際人権規約(1966),子どもの権利条約(1989)などにおいて,この方向への発展を促した。とくに国際人権規約および子どもの権利条約は,すべての児童が出生後ただちに氏名を有し,国籍を取得し,さらに家族,社会,国家から未成年者としての地位に必要な保護措置を受ける権利を保障した。…

【民族教育】より

…これは民族文化軽視への不満に発しており,本国政府により弾圧されたが,国民会議派が支持し,独立後の教育建設の基盤となった。 第2次大戦後には世界人権宣言が出され,また国際的に民族教育の基本を定め,各国・各民族が承認しているのは〈国際人権規約〉(1976)であり,そこにはまず民族自決権が規定されている(A規約第1条)。これにもとづき民族の文化的発展の自由な追求を担う力量の形成,民族的自覚の形成などが求められる。…

【ヨーロッパ人権条約】より

…この条約の保護する人権はいわゆる自由権であり,生命権,拷問・非人道的待遇または刑罰の禁止,奴隷・苦役・強制労働の禁止,身体の自由と安全,公正公開の審理を受ける権利,無罪の推定,刑事被告人の諸権利,刑法の不遡及,プライバシーの保護,思想・良心・宗教の自由,表現の自由,集会・結社の自由,婚姻し家庭を設ける権利,公的救済の権利,保護されている権利・自由の無差別享有のほか,財産権・教育権・自由選挙の保障,移動・居住・出国の自由,自国からの不追放,自国への入国の自由,外国人の集団的追放の禁止などである。この条約の最大の特色は,条約の履行を確保するための措置,いわゆる実施措置にあり,国際人権規約も米州人権条約も実施措置の面ではこの条約をモデルにしている。この条約はヨーロッパ人権委員会,ヨーロッパ人権裁判所を設置し,委員会には個人も提訴できるシステムを採用していたが,1998年11月1日に発効する第11議定書によって全面的に改められ,裁判所と委員会は廃止され,新裁判所がこれにとってかわる。…

【労働基本権】より

…この自由を制限または妨害しようとする約定および処理はすべて違法である〉(159条)と定めたのを嚆矢(こうし)とする。 労働基本権は今日すべての国で保障されるべき基本的人権とされ,その旨は1948年に国連が採択した世界人権宣言(23条)および1966年の〈経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約〉(国際人権規約6~8条)にも明らかにされている。また国際労働機関(ILO)は労働基本権なかんずく団結権の保護の重要性にかんがみ〈結社の自由及び団結権の保護に関する条約(87号)〉を採択するとともに,この条約を批准していない国に対しても,労働者の団結権を保護するため〈結社の自由〉委員会による特別な救済制度を設けている。…

※「国際人権規約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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