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庇護権 ひごけんright of asylum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

庇護権
ひごけん
right of asylum

本国政府から政治的迫害を受け,またその危険性ある者が,本国の迫害から逃れて,外国または在外公館などに庇護を求めた場合に,外国または在外公館などがその者を保護する権利をいう。それぞれ領土的庇護権,外交的庇護権という。外交的庇護権については,国際法上確立していない。ラテンアメリカにおいてはある種の庇護は慣行となっており,革命,暴動などに際して人道主義の立場から庇護を与えることがある。政治犯不引渡しの原則は一国の領土的庇護権の一種であり,戦時,中立国に逃げ込んだ軍隊,軍艦などに対し,中立国はある程度の庇護を与えることができる。

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デジタル大辞泉の解説

ひご‐けん【×庇護権】

国家が、外国の犯罪人や政治的避難者で保護を求めてきた者を、自国領域内で庇護する国際法上の権利。自国の在外公館などでの庇護は原則として認められない。

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百科事典マイペディアの解説

庇護権【ひごけん】

国家が自国領域内で外国人を庇護する権利(領土的庇護)と,大・公使館領事館,軍艦または商船等が在留領域国官憲からの避難者を庇護する権利(外交的庇護)の2種がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひごけん【庇護権 right of asylum】

庇護権ということばは,〈庇護を求める権利〉と〈庇護を与える権利〉という二つの意味に用いられる。(1)庇護を求める権利 政治的迫害を現に受けている者または受けるおそれのある者が,外国に対して庇護を求める権利。たとえば,世界人権宣言(1948採択)は,〈すべて人は,迫害を免れるため,他国に避難することを求め,かつ,避難する権利を有する〉とうたっている(14条1項)。被迫害者が〈避難する権利〉を有するとすれば,国家は〈避難を認める義務〉を負うことになるはずであるが,起草経過から見て,同宣言がそこまで定めたとは考えにくい。

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大辞林 第三版の解説

ひごけん【庇護権】

国家が、自国の領域内または在外公館に逃れてきた亡命者などを保護し、その引き渡しの請求を拒絶できる権利。なお、在外公館による庇護は特別の条約がある場合のみ許される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

庇護権
ひごけん
right of asylum

庇護は、追われている者に対して国家によって与えられる避難所であり、そこで与えられる保護である。庇護は、自国の領域内で与えられる領域内(または領域的)庇護territorial asylumと、自国の在外公館や軍艦などで与えられる領域外庇護exterritorial or extraterritorial asylum(外交的庇護ともいう)とに分けられる。法的根拠は、前者が一国のもつ領域主権であるのに対し、後者が在外公館などのもつ治外法権性extra- or ex-territorialityである。したがって、後者は国際法上一般には認められていない。庇護権は、こうした庇護を国家が付与する権利であるが、個人の側からみて、こうした庇護を求める権利とも考えられ、その点からは亡命権ともいいうる。[芹田健太郎]

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