古代律令(りつりょう)制下における地目の一つ。田令(でんりょう)の規定によれば、園地は「地の多少に随(したが)って均給す」と定められているが、その班給額については口分田(くぶんでん)の場合のように明記されていない。また園地は、いったん班給されると絶戸にならない限り収公されず、相続も認められ、売買も所定の手続をとれば可能であった。その意味では、同じく売買が認められている「宅地」とともに私有地的性格の濃い地目であった。「園地」の語は、(1)クワ、ウルシの栽培が義務づけられている地、(2)蔬菜(そさい)や果樹の栽培されている地、という両様の意味で用いられているが、田令条文の配列から考えると、園地という地目を設けた基本的意図は(1)にあったようである。
[村山光一]
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田令に規定された地目。田令の構成から蔬菜や桑・漆等を植える地であったらしい。地の多少にしたがって等しく与えられ,絶戸の場合のみ国家に返還し,数年にわたる賃租や永売も許される規定であった。しかし収授の実例は史料にみえず,経営の実際も明らかではない。のちに雑穀を植える地として陸田が制度化され,11世紀以降には畠地子経営も発展するが,園地・陸田・畠の関係は未詳である。
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…日本の古代・中世における畠地の一種。本来〈園地(えんち)〉〈園〉〈園圃〉は,水稲以外のものを栽培する土地に与えられた律令用語であった。宅地と一括して園宅地として理解する説もあるが,園地と宅地は同質ではない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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